残り98日 音を盗み、盗み撮る
……まさか、風香がストーカーだったとは。
てか自覚して大丈夫なのか。横には昨日より機嫌が良さそうな風香。
なんでストーカーバレしてご機嫌なんだ?
「これで隠さないでいいもんねぇ。四季くんの下着もいただいたしぃ」
「……は?」
「冗談だよぉ」
笑えねえよ。
と俺が呆れていると、目の前にみなもが凄い剣幕で現れる。
「おはようございます先輩っ!!そしてストーカー!!」
「おはよぉ。……え?なんで知ってるのぉ?」
「盗聴してますから!!」
「……はぁ?」
レコーダーのようなものを出してボタンを押すと昨日の風香との会話がそのまま聞こえてきた。
……風香は盗撮して、みなもは盗聴?何なの、この状況は。
「ストーカーはいけませんですよ!!」
「お前が言えるかよ!!」
「へ?盗聴は犯罪じゃあ「犯罪ですよ!?」
「やーい、怒られて「お前もな!!」
いつも絡んでくる2人がストーカーだった時はどうすればいいのでしょうか。さっきからポケットで揺れるアンリをへし折ってやりたい。
「で、先輩っ!!」
「なんだよ」
「キスしていいんですよね?」
「あー!!もうっ!!」
カオスな状況に、深く大きく溜め息をつく俺だった。