息子よ!あれが魔神の星だ!いや、昼なんですけど!
あるところに、ワーピューマの親子がいた。
父、星イッケツ。
息子、星ピューマ。
「息子よ!
あれに輝くは、「魔神の星」だ!」
「うん!
オヤジ!」
昼間である・・・
「にゃにゃにゃ〜♪」
鼻唄を唄いながら、リヤカーを牽いてきた人足の人猫女性が、それを停め、トラックに荷を移し替える。
親子は、とんでもない特訓をしていた!
「ピューマ!
そのギブスのスプリングを、貴様の筋肉と神波動のみで、引きちぎれ!!」
ピューマは、頑強なスプリングで繋がれたプロテクターを装備していた。
いや、させられていたというべきか。
「無理だよオヤジ!」
「やるのだ!!」
はっきり言って無理だ。
なにせ、このスプリング・・・
惑星最強の合金・ヒヒイロカネである。
「うぐぐ・・・」
やがて、ピューマの毛細血管が破裂し、全身から血がふきだす!
だが・・・
「う・・・うおおおっ!」
ベキッ!
ボゴッ!
バァン!
プロテクターは、爆発したかのようにぶっ飛ぶ!!
「はあはあはあ・・・」
「やればできるではないか、ピューマよ!」
本日の「修行」を終えて、親子が帰る頃・・・
「なんだコレ・・・
あのオヤジに、壊れたら治せって言われてたが、コレ治せねえぞ・・・
あのガキ、「獣人」だよな?」
一応、「獣人族」は「人間」にカウントされるが・・・
「「人間技」じゃねえよ・・・
スプリングとはいえ、ヒヒイロカネひきちぎるたあ・・・」
竜族の高位貴族・黒竜公ブリューゲルは、冷や汗をかいた・・・
その夜・・・
「疲れたでしょう、ピューマ。
食べなさい♪」
星家の家事を取り仕切る、ピューマの姉・アキナが、キティルハルム料理の「蛸酢チャーハン」を、人数分、ちゃぶ台に並べる。
「いただきまーす!」
ピューマが、レンゲを手にチャーハンを食べようとすると・・・
「ばっかもーん!」
イッケツの鉄拳が、ちゃぶ台を粉微塵に砕いた!
「みんなで、いただきますだろうが!」
しかし・・・
どか!
ばきっ!
ぐしゃっ!
「父さん!
ピューマに言ってからにして下さい!
この調子で、父さんがちゃぶ台を破壊したりするから、「買い替え」でいくらかかっているか!」
アキナの尻尾が、逆立っている!
「わ・・・悪かった!」
アキナは、イッケツを完膚なきまでにボコボコにしていた!
「よろしい!!」
ピューマは、二人を見て震えていた。
「ん?
修行?
結構なことにゃ・・・」
猫の女神リケは、本日の仕事を終え、聖地の中ほどにある「自宅」に帰ろうとして、腰を抜かした。
「い・・・石段に大穴が開いているにゃ・・・
なんでにゃ!?」