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佐藤君は無能力  作者: 三鷹 功
9/10

エンディングはやっぱり大円団がお決まり。

皆さんおはよう御座います、お読み頂き誠に有難う御座います。

最後ですが、よろしくお願いします。

「行くぜ!清!」


四次元の能力を解放した佐藤は清の切り開いた道を一直線に突き進んだ。


「ガァアアアアアア!!!!!」


声にならない声を叫びながら邪神はその力を振るう。


「危ねぇ佐藤!」


「大丈夫だその攻撃は知ってる(・・・・)!」


佐藤に向けて振るわれた攻撃はまるで知っているかのように佐藤の横をすり抜けて行った。


「なんかいま攻撃前に躱したような・・・」


「そうさ、俺は未来が見えるからな!」


「未来が見える?!なんだそりゃ!」


「だから後は任せとけ!」


佐藤は次元切断と時間制限を組み合わせて千の刃を作り出した。


「これでも喰らえ!みじん切りだ!」



「グ?・・・ガァアアアアアア!!!!」


一瞬にして邪神の画面一杯に刃の嵐が巻き起こった。

小さく刻まれて行く、だが邪神はそれよりも早く再生していった。


「っち、再生が早い!」


佐藤は想像をしていた結果に悪態をついた。

邪神は宇宙の莫大なエネルギーと繋がっていた、それは無限の命と再生を意味していた。


「まずはその供給源を断たねえとな」


空間操作により邪神をこの空間に限定した、そして事象操作を行いこの世界だけに無理矢理改変した。


「チ、チィイカァアラァアガァアアアアアア!!!」


「力の源を立たれてご立腹か?・・・・・ぐ・・グプっ」


佐藤の口から血がドバッと吐き出された、あまりにも強すぎる力の反動が佐藤の身体を蝕んでいた。


「佐藤危ねぇ!!」


佐藤が自傷ダメージによろけている間に邪神から攻撃が飛んでいた。

それを清が体を張って受け、清は後方の城の壁まで吹っ飛ばされた。


「清!」


「大・・丈夫!」


明らかに大丈夫じゃない、清はもう身体中から血を吐き出して満身創痍だった。


「大丈夫だから!前を向け!俺に構うな!」


清の声が後方からする、きっと凄惨な状態なんだろう、それでも声だけは気丈に振り絞っていた。


「・・・ありがとう清、助かったよ」


「・・・・・・おうよ」


後ろで力を使い果たしてぐったりと倒れる清の姿を佐藤は敢えて見なかった。

見る必要がなかった、佐藤は前をみる、前だけを見続ける。



佐藤は転生された時を思い出していた。

最初の1回目、俺は次元魔法を取得してそのスキルに歓喜した。

だが全ては魔王の仕組んだ罠だった。

巧みに洗脳魔法で佐藤たちを操り、魔王はクラスメイト全員のスキルを奪い取った。

この世界じゃスキルは生まれ持ったスキル、それ故にスキルは増える事は無い。


ただし例外があった。


すなわち所持者の死亡。


魔王は自身のより強大な力の為に勇者を召喚しその勇者たち、クラスメイトを全員殺害した。

考えたくも無い悍ましい記憶、俺はその時魔王に潜在的に恐怖した。

そうして魔王と相打ちで終わった戦い、魔王はムカつく事に清の降神術を得意げに使っていた。


悔しかった、そのスキルは俺のダチのスキルだったのに。

返してくれ、そのスキルはお前のじゃ無い。

俺が全部取り戻してやる!


失望の果てに相打ち覚悟で放ったブラックホールは見事に魔王と自分を飲み込み次元の狭間へと転移した。

その次元の狭間で花音ちゃんに出会って四次元が覚醒し、時間を戻した。


全てはこの時のために。

邪神に勝利するために。




「覚悟しろよ魔王!!これでも喰らいやがれ!!!!!!」



空間操作と重力操作でブラックホールを作り出す。そのブラックホールに時間制限を掛け分離体により何個も増殖させる。

絶対防御と事象操作でこの空間から魔王を閉じ込め、自分への衝撃を緩和。

未来視によってこの後に来るであろう余波に対し瞬間移動で位置調整。

そして、佐藤は相手を逃さないように。



時間を。




止めた。




幾千ものブラックホールが時間の停止した場所で引き合い急激な圧力がその場所に集められた。

重力の塊とも言われるブラックホールが一箇所に集まった時何が起きるのか。

答えは簡単だ、宇宙開闢の歴史の初めに起こった最強の力。



ビックバン。



全ての始まり、宇宙開闢の力。

佐藤はビックバンを生み出した。



「ナァアアアンダァアア!!!トケルゥウウウウ!!!」


あまりの高熱高圧力に耐えきれず流石の邪神も悲鳴をあげて歪んでいく。


「・・・何言ってるかわかんねぇよ」


叫び声すらも真空により音を遮断した世界、魔王はただ一人その身を消滅させるのみだった。


「ソ・・・ン・・・ナ」



野望に燃えた魔王の悲しき最後は、灯火のように落胆の言葉を残してフッと消えた。



「うっ・・・・ゴホッ!」


致死量を超えた血を流し佐藤はその場に倒れた。


「勝った・・・・へへ・・やったぜ犬・・・勝ったよ」


血塗れになりながらも笑顔で微笑んだ佐藤は、眠るように。



死んだ。

























あらあら、死んでしまうの?


・・・誰だ?


あら私を忘れちゃったの?


花音ちゃん・・・じゃねぇな声がババアだ。


こら!失礼な事言っちゃいけません!


すいません。


こんな所で死んでしまうのですか?


やり切ったからいいだろ。


いいえダメです、良いですか?遠足はお家に帰るまでが遠足ですよ?


遠足?異世界まできて遠足かよ。


そうです遠足です、ねぇ出席番号12番の佐藤君。


出席番号?今そんな事・・・!


あらお気づきになって?



佐藤はこれまでの見落としに気付いた。

神の声は一体誰だったんだろうって事だ。

知らずに順応してその声を深く追求することがなかった。

でもやけに最後は人間臭くて応援なんかしてくれちゃって。

いつも聞いていた声だった、ホームルームで出席確認するときに呼ばれる。

12番の俺、クラスメイトが転移されていて、あの教室はみんな転移したと思っていた。

だから気付かなかった、一人居ないとおかしい人物。




何してんだよ。





先生。




正解です!ちなみに私はこの世界の創世神だったりします。


はぁ?何それ!


ちなみにちなみに花音ちゃんは私の部下です時の女神なんてやってます。


おま!何その爆弾発言!


いやーねあのライオネル君がね、悪さばかりするから懲らしめてやろうかなと。


ライオネル君って誰だよ!


魔王ですよ?


魔王の名前かよ!


ライオネル君異世界の人を召喚しようとしたもんだから、地球にいた私が君たちが召喚されるように調整しました。


おおい!何してくれちゃってんの?!


でも、ここまでやるとは思いませんでした、計算外です。


倒しちゃ不味かったですか?


まぁちょっとは後悔してますが、仕方がないです罪は罰せられなければいけません。


で、なんで今更出てきたの?


ですから帰るまでが遠足ですよ?こんな所で寝てはいけません!


いや、俺死んでんだけど。


時間が止まってるのにですか?


あれ?確かに心臓の鼓動が止まったから死んでると思ってた。


佐藤君は生きてますよ?


マジでか・・・


それに、佐藤君には感謝しないといけません。この世界を救ってくれてありがとうございます。


・・・先生に感謝されるとなんか照れますね。


ふふ、それだけのことを貴方がしました。


でもこれからどうするんです、時間を進めても俺死ぬだけですよ?


佐藤君、諦めたらそこで時間終了だよ?


先生、試合終了です。


あ、間違えちゃったテヘペロ。


(うわぁ、ババアのテヘペロきついわぁ)


何か言いましたか?


いいえ?


ふむ、まぁ良いでしょう。佐藤君はなんで四次元で諦めるのですか?


だってその先は・・・・!・・・あるのか!


えぇ、ありますよなんたって私のスキルですから。


先生のスキルって創世神のスキルかよ!


そうですこの世界のスキルは全部私から生まれたものです。


創世神すげぇ。


ありがとう佐藤君、それで君は次元を超えないのですか?


そうだな、この際だし超えてやんよ。


それでこそ佐藤君です、時間も止まってますし貴方の今は精神のみ。それも次の次元では精神すらも必要なくなる。


そんな次元なのか・・・五次元は。


えぇ、魔王討伐のご褒美に次元を超えさせましょう。そして地球に帰るのです。


そうだな、長い遠足を終わらせよう。




五次元を獲得。


五次元は以下の能力です。


次元超越 異世界転移 ドッペルゲンガー 時間隔離 完全復元




佐藤は五次元に到達した時、白い世界に降り立った。


「異世界転移か」


次元を超えた五次元の世界で、すぐに佐藤はスキルを使用した。

そこは次元と次元をつなぐ隙間、真っ白い世界でクラスメイトのみんながいた。


「佐藤!」「佐藤君!」


自分の声をする方へ振り返れば、俺のダチの清と沙耶がいた。


「お前ら!無事だったのか!?」


そう言うと二人は不思議な顔をして頭を傾げた。


「何言ってんだ佐藤?俺たちもいきなりこの白い世界に来てビックリしてんだよ」


「そうそう、何ここ?さっきまで教室にいたのにね」


その会話を聞いて分かった、まだ異世界に転移される前だったのだ。


「そうか・・・そうゆうことかよ先生」


佐藤は白い世界で一人の女性と一匹の犬を探した。


「・・・花音ちゃん」


「佐藤君?どうしたの?」


相変わらず超絶で完璧で究極の彼女はとぼけたように佐藤に声を返した。


「全部知ってんだろう」


「・・・」


「特等席で見てくれてたんだろう?」


「・・・はい」


「その胸に抱えてる犬は何か教えてもらっても良いか?」


「これは・・・秘密です」


そっぽを向いて表情を悟らせないようにとぼける彼女、佐藤は自然と目から涙が溢れて来た。


「ありがとう、花音ちゃん、ありがとう、ありがとう」


「・・・これくらいの事をしないと女神失格ですからね」


そう言って花音ちゃんは自分に抱えていた犬を佐藤に手渡した。


「犬!」


佐藤は犬に犬と叫ぶネームングセンスの欠片も無い名付けをしている事も気付かずに、泣きながら犬と何回も連呼した。


「犬!犬!犬!お前、良かった、良かった!」


「佐藤、あいつとうとう馬鹿になったのか?」「元から馬鹿でしょ?」


違いねぇ!と二人で俺を馬鹿にする二人のダチに向かって佐藤はこう言い放った。


「清!沙耶!こいつの名前は犬だ!今日から俺たちのダチが増えたぞ!」


そう言って笑いながら佐藤に抱えられていた犬は。




清の方へ向かって飛びついたのだった。







『佐藤君は無能力』  完

土下座です、THE土下座!ここまで見て頂いた読者の方には感謝しかありません。

如何でしたでしょうか?不安な気持ちでパソコンに書き込み始め作り出した作品です。

素人ですので様々な矛盾や拙い文章だったと思いますが、ここまで読んでいだたき本当に有難う御座いました。


最後に蛇足として一つ投稿いたします。被ると困ると思いますので1時間後に投稿予定です。

作品のストーリーとしてはここで終了いたします。この後の投稿は読まなくても支障はありません。


では最後になりましたが、改めてここまで読んで頂き誠に有難う御座いました。

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