第三十四話
シルヴィオはその後。
簡単にテファに状況を説明し、伸びてしまったウェルコットを二階の適当な部屋のベットに放置。
手当たり次第に開けた扉の向こうに見つけた、広い風呂を沸かして子供たちに入るよう言い。
子供服一式を買に行った。
ちなみ男の子は上着と帯、その下に穿くズボン。
女の子は同じ型の上着と幅の広い帯。
ここでシルヴィオは固まった。
彼が知っている女子の服は、男子の服と大して変わらなかった。
しかし、子供服は彼のいない間に進化していたのだ。
だが、それだけではない。
下着だ。
それも買わなくてはいけない。
彼は速攻で白旗を上げ、店員に人気の物を聞いた。
結果。
良いカモと思われ、あれもこれもと勧められるという厄介なことになってしまった……。
しかし、シルヴィオはそんな店員をのらりくらりと躱し、必要最低限の物を買って戻り、脱衣所の扉を叩く。
子供の気配はない。
ということで、扉を開ける。
脱衣所の床。
そこには脱ぎ捨てられた服が散乱していた。
シルヴィオはそれらを近くに置いてあった桶に放り込み、買ってきた服を紙袋に入ったままの状態で床に置く。
「おい。服を用意したから、あがったらそれに着替えろ」
シルヴィオが、風呂場の入り口の扉ごしにそういうと、中から元気な返事が聞こえた。
「それと、体を拭くタオルも置いておくからな、それを使え」
彼の言葉を聞くためか、彼が話しているときは、風呂場からは水音しかしない。
そして、彼が言い終わると返事が聞こえ、また騒がしくなった。
彼は言った通り、風呂場からの前の扉にタオルを六枚置き、脱衣所を出る。
それからキッチンで料理を作り始め、すべてを作り終えたころに子供たちが風呂から上がったのか、真新しい服を身に着けてリビングに姿を現した。
ラティをはじめとする幼い子達は恥ずかしそうにして現れ。
フォードとルルカ、ルルクは恐縮した様子で現れた。




