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愚者の歩  作者: 双葉小鳥
愚者の道
183/185

後日談 再開

「ずっと、ずーっと会いたかった。お兄様!」


 ニコはそう言って、抱き着いて来た。

 俺はどうしたら良いのか分からなかったが、とりあえず抱きしめかえす。

 

「えへへ……お兄様だ。ほんとにほんとの、お兄様…………」


 小さく笑って、独り言のようにつぶやいて、ニコは静かに泣き始めた。

 さて。

 どうするか……。

 まぁ、とりあえず。

 『あやす』とするか……。

 

「よしよし。ここに居るから、泣くことはないんだよ」

「……うん。分かって、る。っ、分かってる、っんだけど……とっ、止まらな、くって」


 涙交じりの嗚咽交じりの言葉。

 その言葉がなぜだが少し、嬉しかった。

 

「ニコ。顔を良く見せて?」 


 そう声をかけてニコの背中に回していた手を緩めると、ニコが少し離れて顔を上げた。 

 ニコの涙に濡れた瞳が困惑している。


「おかえり。ずっと、待っていたよ。ニコラ」


 軽く微笑んで言うと、ニコの瞳が驚愕を示した後。

 喜びの色を浮かべ、目を細めた。


「っ……! うん! ただいま、お兄様!!」


 再び抱き着かれた。

 もちろん。

 首。

 

 …………みしみし言ってるんだが……。

 心なしか息がっ……。

 

「に、にこ……く、び。く、首がっ…………!」

「? どうしたの? お兄様。首がどうかした?」

 

 不思議そうにいって、腕の力を緩めたのか、ニコによって締め付けられていた首が解放された。

 それによって勢いよく流れ込んできた空気に盛大にむせる。


「お、お兄様! 大丈夫?!」


 心配げに背中をさすってくれるが、原因はニコ。

 お前なんだよ……。

 まぁ。

 言わないが……。


「あ、あぁ。だい、じょう、ぶ……ゴホッゴホッ!」

「???」

 

 ニコは不思議そうに首をかしげ、あたりを見回し、近くで惚けて立っていた両親に助けを求めた。

 が。

 その両親は次の瞬間には涙をこぼし、駆け出した。

 あぁ。

 『娘が人を殺しかけた』と慌てているのだろう。

 ……俺じゃなければ確実に死んでいただろうな…………。

 

「「ロイド!!」」

 

 ……さて。

 幻聴が聞こえたのだが?

 気のせいだろう。

 そう思い、夫妻に目を向けた。

 そこには両手を広げ、駆け寄ってくる二人。

 何百年も昔に見て、失った光景が広がって――――。


「ぐはっ……!」


 飛びつかれた?!

 しかも重い……つぶれる…………。

 

「ロイド! ロイド!! 母さんよ、分かる?!」

「あぁ。ロイド! 父さんだよ。あぁ、なんと久しぶりなのだろう! 我が子を抱けるなど!!」


 わ、分かった。

 分かったから、どいてください……。

 内臓が出る……!

 

「本当に幸せね。エルー」

「あぁ。そうだね。とても幸せだよ、リル」

「エルー……」

「リル……」

「あぁ。エルー…………」

「おぉ。リル…………」

「愛しているわ、エルー」

「私もだよ。リル」

「エルー!」

「リルっ!!」



 …………え~っと。

 とりあえず。

 人の上で手と手を取り合って、濃いラブラブオーラを充満させないで貰いたい。

 頼むから、二人の世界に行かないでくれ……。

 あんたらの下に俺が居るんだ。

 下敷きじゃねぇぞ。

 生き物だからな……?

 まぁ一応、だが……。


 俺、死なねぇけど苦しいんだよ。

 痛いの。

 楽になれねぇの。

 苦痛でしかねぇの。

 だから。

 だから……っ~~~!



「重いっ!!」


 風を使って強制的に体の上から退かす。

 

「あら?」

「おや?」


 そのさい、聞こえた不思議そうな声。

 ……そんなに俺は影が薄いのか…………?!

 

「あぁ。すまないロイド。リルに再び会えて我を忘れてしまった……」

「ごめんなさい、ロイド。私も、エルーに会えて嬉しくて……」


 しょぼんとする夫妻。

 そんな夫妻に俺は訪ねたい。


「なぜそのようなことを?」

「あぁ。さっきお前を見て思い出したんだ。『この胸の大きな隙間はリルとロイド、ニコラだったんだ』って」

「えぇ。ずっと、忘れていたの。思い出したくて、一生懸命になっても思い出せなくて……でも、私はエルーとニコに会っていた。それをロイド。今日、貴方に会って思い出したのよ」

「アルティファスが、お前に会ったら記憶が戻るようにしてくれていたんだ」

「アルティファスが……?」

「えぇ。転生の順番が来たときにね」

「そう、だったんだ。あ……。もしかして、母上はこれを知っていた……?」

「あぁ。ディティナさんね。ロイドに良く似た素敵な女性ね」

「え……。あ、ありがとう……?」

 ……酷く落ち着きのない上に怪我ばかりをしていたような気がするが、俺の気のせいだろう。

 そう。

 例え、旦那の喉元を食い破ろうとかしていた何てこと、あったが……まぁ、アイツ死なないだろうしな……。

お久しぶりです。

読んで下さりありがとうございます。

もうそろそろ完結する、かも……?

まぁ、そんな感じです。以上!

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