表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者の歩  作者: 双葉小鳥
愚者の道
171/185

後日談の後日談 

負けました。

減らない件数と嬉しい感想に……。

なので続きやります。

人格破綻者が主に出張ってくると思います。

ご容赦ください。

 俺は壊れたように笑うウェルをソファーに座らせ。

 茶を入れた。

 ウェルは先ほどのアルティファスの言動により、黒く笑っている。

 ……こんな温厚な奴。

 怒らせんなよ…………。


 ――コトッ


 ウェルの前のサイドテーブルに茶を置くが、ウェルがそれに気づいた様子はない。

 まいった……。

 ここまで怒りの感情を表すウェルは初めてだ。

 クーの初登場以来じゃないか?

 こんなに壊れるのは……。

 あの時も酷かったもんなぁ…………。

 急に叫びだすわ、口調が変わるわなんわで。

 極めつけはあの表情だな。

 【絶望】って言葉がぴったりだった。

 あぁ。

 今でもクー相手だと、ちょいちょい口調が乱れるな。

 本人は『当然』と言っていた――――


「うわぁあああああん!! メルのバカあぁぁあ!! 私に『嫌い』って言ったぁぁああ!!」


 突如響いた声は、本日ウェルが壊れた原因。 

 それは壁に寄りかかり茶を啜る俺の少し離れた正面、そしてウェルの座るソファーの右斜め前程の場所に表れ、床に座り込んで顔を覆っている。

 


 ……おいおい。

 さっき【完】ってしたばっかりだぞ。

 なのになんで戻ってきてんだよ……お前は。

「ふふふ……アルティファス。よく、戻ってきましたね。ちょうどよかった」

 『ふふ』っと笑うウェルコット。

 彼の手に握られている鈍く光るメイス。

 その先についた丸い球体に、鋭く光る数本の棘。

 彼はそれをアルティファス目がけ、振り下ろした。 

 


 ――――ドォォンッ……!



 激しく床が揺れた。

 と、言うより家そのものが揺れたんだ。

 おまけにミシッという音。

 …………ウェル。

 頼むから家、壊すなよ……?

 まぁ。

 直すのはお前だから良いか。



 ――と、言う訳で。 

 気が済むまで黙って見ていることにした。


 案の定。

 家が崩壊した。

 もう、跡形もなく。

 そして帰ってきたウィア達は、そのがれきを前に、立ち尽くしていた。


 うむ。

 ほどほどで止めるべきだったか……?

「お、お爺ちゃん。こ、これは、いったい……?」

「あぁ、ウィア。おかえり。すまんな、ウェルが暴れたんだ」

「え! あの温厚なウェルコットさんが?!」

 酷く驚くウィア。

 ただ、驚いた表情をしているのはウィアだけでなく、ランドールとひ孫たち三人は、そろいもそろって驚いていた。

 そうだよな。

 驚くよな……。

 俺はあまりの事すぎて、早々に家から出たほどだ。

 はぁ…………。

 ここまでウィルを激怒させるヤツなど、人格破綻者ぐらいのものだぞ……?

 …………だがまぁ。

 人格破綻者が居なかったからこそ、この程度で済んでいるのだろうな……。



「どうしたの、シルヴィオ。変な顔して。あ! 元からだったね!! ごめーん!」

 はぁ……。

 何故こいつは来なくていい時に限って来るのだろうな……。

「ん? どしたのシルヴィオ。目が死んでるよ? あ、目だけじゃないね! 存在自体が死んでるよ!」

「……お前ちょっと黙ってろ…………たのむから……」

「い~やっ!! こんなに可愛いあたしにそんなこと言うの? ひ~ど~い~~~~!!」

 ハイテンションの女装趣味の人格破綻者な爺。

 奴の声に、がれきの上にメイスを突き立てていたウェルがゆったりと、こちらを向いた。

 刹那。

 人格破綻者――――クラジーズ・グルヴィ・キーゼは、血まみれのメイスを腹に受け、メイスと共に星となった。

「だから『黙ってろ』と言っただろうが…………」

 【馬鹿な奴だな】。

 そう、意味を込めて呟いた。

 まぁ。

 確実に奴の耳には届いていないだろうがな……。

 ……さてと。

 とりあえず、ウェルを落ち着かせるとするか…………。

お気に入り件数、増えてるのと、『続きが読みたい』との嬉しい言葉を受け。

続投。

ホントはするつもり、なかったんだよ……?

でも、やっちゃった。

ガッツリ不定期です。

それでよろしければ、楽しんでいってください。


あと、短編であげてる【むかし話】ってタイトルは、ウェルコットがシルヴィオに会う前の少年期です。

ウェルコットが主役です。

なので、人格破綻者の出番はないっ!!

ちなみに。

この頃のクーは【愚者の歩】で書いた通り、ファムローダを出てます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ