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愚者の歩  作者: 双葉小鳥
愚者の道
141/185

百十四話

「………………わかった」

 そう、バルフォンが頷き。

 タヌキたちはそろって消えた。

 おい。

 せめて説明ぐらいしていけよ……。

「…………アイツらは結局、何が言いたかったんだ……」

 意味が解らない。

 セメロ邸に居た、使用人のリディア並みだな……。

「さぁ……。ですが、何とかなるようなので良かったですね」

 ウェルはそう言って微笑んできた。

 ……こいつも分かってなかったか…………。

「クー。お前は国に帰ったらどうだ?」

「え~、ここに居てもいいじゃない!」

「部屋はない」

「あ、あたし。ウェルと同室でいいよ!」

「却下だ」

「何でよ! 理由は?!」

「ウェルを殺しかねない」

「はぁ……。心配性な主人だね、しーちゃんって! ウェルは頑丈だから死なないって言ってるでしょ?」

 ……『しーちゃん』って…………。

 俺がいつ、お前にそんな風に呼ばれるほど親しくなった……。

 記憶にねぇぞ……。 

「一応。それは俺の家族なのでな。そう簡単に危害を加えられては、黙っているわけにもいかないんだ」

「むぅ……。あたし、危害なんて加えてないもん!」

 『大体ね』と付け足して何か言い始めた。

 内容はとてもくだらない。

 こんなバカの話をいちいち聞いられっか……。

「………………おい、こいつの部下。さっさとこれを持って帰れ」

 これ以上無駄なことに体力使ってたまっか。

 はぁ…………。

 もう、疲れた。

 なんて考えていたら、ラティ、テオ、イオルが近寄ってきた。

「しーちゃん、おつかれ?」

 と言ったのはラティ。

 俺はそれに大丈夫だと答える。

「かた、たたこっか?」

 と、テオ。

 その横ではイオルが心配そうな顔でこちらを見ている。

 ……この子たちと暮らし始めて二年。

 ラティとテオは社交的で、イオルは内向的な性格。

 ルルカ、ルルクは二人とも悪戯っ子で、細かいところをめんどくさがる。 

 ちょっとした違いが見当たらない。

 フォードは面倒見が良い上、周りを良く見ている

 さすが、ここ達を守ってきていただけはある。

 学問と武術においても優秀だ。

 そして――――。

「おい。飯」

 フォードはそう言って、俺の座っている席の前に、食事を置いた。

 シンプルだが、とってもまともで、人間の食べても良い料理だ。

 ……フォード。

 お前が常識人で本当に良かった……。 

 そう思いながら、皆で夕食をとり。

 子供たちは風呂に入って部屋に上がっていった。

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