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愚者の歩  作者: 双葉小鳥
愚者の道
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第七十八話

 【神】は世界を見て高らかに笑いながら、今まで見ているだけだった世界に降り立った。

 そこで見たものは、美しい空と、海。

 音を立てる木々。

 風が撫でて行く緑の野原。

 これを見てはしゃく【神】を、五人は見守った。

 草の上をゴロゴロと転がり、嬉々として笑う【神】。

 【神】は、何を思ったのか、頭に草をいっぱいに着けたまま、転がるのを止め。

 むくりと上半身を起こして人間の少女に姿を変えた。

 幸い、辺りに何もいない。

 これをわかっていたのだろう。

 そう。

 五人は思った。

『ねぇ。何してるの?』

 そう問いかけたのは、赤い髪に金の瞳の少年だった。

 【神】は少し首を傾げ、『転がってる』と答え。

 少年は小さく笑い、『その頭見たらわかるよ』と言った。

 それから【神】は五人のもとには戻らず。

 少年のもとに居た。

 しかし、少年はあっという間に年を取り、死んだ。

 世界を見下ろす場所に居る五人は【神】が戻ってくると思い。

 喜んだ。

 だが、そんな考えは当たらず。

 【神】は戻ってこなかった。

 しびれを切らした四人にせかされ、一番目が【神】に会いに行き、待っていることを伝える。

 すると、【神】は『戻らない。お前たちは好きに生きろ』と答えた。

 一番目はそういった【神】の目に迷いがなかったため、素直に頷き、四人のもとに帰るとそう伝え。

 何処かへと行こうとする彼の後に二番目が続いた。

 三番目は広大な海の真ん中に大陸を作るとそこに住み着き。

 四番目は五番目と共に何処かへと姿を消した。

 


「以上だ。ここまでで質問はあるか?」

「「「…………」」」

 そんなものは無いだろう。

 そう言わんばかりの顔のダンドルディックに、三人は無言で返し。

 質問すべきところが多すぎて、口を閉ざしたのだった。

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