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ある日突然大悪魔?!  作者: 彩霞
第1章 入学準備をやらなくちゃ
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その7 「合う服がなかったら」

1日空いてしまいましたが、次の章の目途がついたので今日からまたアップしていきます!

章の名前で行先少しネタバレ気味ですが…

♪~~~♪~~~


聞きなれたメロディーで、いつものように目が覚めた。

いつもの天井、いつものウチの部屋なのに、いつもと違ってベッドが広い。

正確にはウチが縮んだからなんやけど。

今日から4月だから4月1日の冗談だったらよかったのに。

とにかく目覚ましを止めようとベッドを降りようとしたんだけど。


「ふぎゃっ!」


いつもの感覚でベッドから下りようととして目測誤ってこけたりとか、ウチがエイプリルフール実演してるやん……

服からして問題なんよね。

どれも大きすぎて、昨日着てたジャージも裾を折ってたのに、動くと伸びてしまってたから引きずりまくってたし。

今なんか、厚手のロングTシャツだけでネグリジェ状態だし。

目覚ましを止めてリビングに向かうと他のみんなはもう揃ってた。

お母さんはキッチンでご飯の準備をしてくれてるみたいで、お父さんは新聞を読んでた。


「ひなちゃんおはよう」

「うん、おはようお母さん」

「おはよう、しっかり眠れたかな?」

「おはようお父さん。

 だいじょぶ、結構しっかり寝たみたい」


和忠はというと、朝からテレビに夢中でこっちに向きもしない。

もう、いっつもこうなんやから。


「和忠ー、おはきゃあ!

 って、ごめん!大丈夫?!」


スリッパが大きすぎるんよ……と物のせいにしてはみたものの、見事に躓いて和忠に突っ込んでしまった。

……あれ、一忠が動かへん。

変なとこに当たってしまったんかな……?


「ね、ねえ大丈夫?

 どっか痛いとか……?」

「……ごめん、問題ないからとにかく離れてくれ」


あ、ウチを抱っこするみたいになってて、動きようがなかったのね……

ゆっくりと体を離すと、和忠の顔が真っ赤になってた。

やっぱりどこか痛いのかも……


「えっと……」

「姉貴、ちょっとは自覚してくれよ。

 昨日ももそうだし今のもだけど、姉貴から見たらいつも通りの家族かもしれないけど、俺にとってはいくら頭でわかってるつもりでも知らない女の子みたいやから恥ずかしいわっ!」

「ふふふ、かずくんったら照れ屋さんね。

 忠さんもお母さんも全然大丈夫なのに」


いつの間にかとっても嬉しそうな顔のお母さんがそばに来てた。

そういうもんかなぁ?

今までだってヘッドロックしてたし。

何かまだ言いたそうやね、和忠(この子)は。


「さ、ご飯にしましょ。

 かずくんもおなかすいてるでしょ?」


お母さんのその一言で、和忠はさっさとテーブルに着いた。

ご飯の力ってすごい。


朝ご飯を食べ終わって、お父さんと片付けをする。

お父さんは、料理は苦手って言ってぜんぜんやらないけど、代わりに片付けをしっかりやるんだよね。

ウチもそれをよく手伝ってる。

和忠は昨日休んでしまったから、せめて掃除を手伝うんだって道場に出かけて行った。

剣道に関しては、ウチも感心するくらい真面目に取り組んでるし、結構強いみたいなんよね。

片付けも終わって部屋に戻ろうとすると、お母さんに呼び止められた。


「ひなちゃん、今からお着替えよね?」

「え、うんそうするつもり」

「でも、服がないわよね?」


コクン、と頷いて返す。

そう、目下の問題がそれなんよね。

急に縮んだもんやから、服はおろか、下着も全部合わないという……

昨日はジャージの紐を目いっぱいに絞って何とかしてたんだけど、さすがに連日これじゃ気持ち悪い。

っていうか、ウチどんだけ大きかったんやろって思い知らされたんやけどね……


「買いに行こうにも着ていく服がないし、とりあえずお母さんの服を着ておかない?

 今のひなちゃんなら少し大きいくらいでいけると思うし」

「ん……じゃ、お願い」

「はーい、それじゃお母さんの部屋に行きましょう♪」


抵抗がないわけじゃないけど、自分の服にもはや服としてのはたらきを求めるのは酷やと思うし。

それにしても、お母さんが妙に嬉しそうなんは気のせいかな?


「忠さん、ちょっと待っててね」

「ああ、期待しているよ」


何を待って何を期待するんやろ……?

よく分からないまま、ウチはお母さんに背中を押されてお母さんたちの部屋に連れて行かれた。


「ひなちゃんの着る服を選ばせてもらえるなんて、いつ以来かしら。

 ほんっと寂しかったわぁ」


そんなにしみじみ言われてもね……

だって、ウチに似合う服なんてなかったし、持ってる服も少なかったから選ぶなんてレベルじゃなかったし。


「あ、そこに座ってね。

 どれがいいかしら……」


ドレッサーの前に座らされて、お母さんが選ぶのを待ってたんやけど、あっちこっちとタンスやクローゼットを開けては閉めの繰り返しで、一人で盛り上がってる。

見てると、かわいい系の服が候補になってる気がするけど……あんなのウチには似合わないと思うんやけど。

お母さんは小柄な方やし、顔立ちもかわいいから今でもああいう服ちゃんと着こなすんよね。

んー……どんなん選ばれるんやろ?

だんだん不安になってきた……

結局、何度もタンスとクローゼットを開け閉めしたお母さんが、最終的に持ってきたのは春らしい暖色系のワンピースにボレロカーディガンの組み合わせだった。

だからそんなの着たことないんだって!

PVが400件近く、さらにお気に入り登録までいただきました!

行先ふわふわなお話に本当にありがとうございます!

姉妹で服をシェアって話は聞いたりするけど、親子でっていうのはどれくらいあるのかな、と…

誤字脱字など見つけていただいた方、よかったら教えてください!

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