その15 「いよいよ入学式」
ようやく式に。
ナガカッタ…
4/14 児島先生の口調を統一しました。設定が甘いとグダグダします…
結局突っ伏したまんまでずっとおったんやけど、周りのがやがやはずっと続いてた。初めての人とそんなに簡単に話とかできるんかなって思ったけど、中等部から来た人らもいるんやから、すでに知り合いなんかなぁ。
「それじゃ、みんな一旦自分の席に着くように」
急に大きな声が響いて、ガチャガチャと席に着く音が鳴った後、教室の中が静かになった。先生が来たんかなぁ?
「いきなり寝てる人もいるみたいだが、入学式ももうすぐだし、起きてもらえるか?」
いきなり寝てるとか誰なんよ……めっちゃ余裕なんやろなあ。ウチもそれくらい余裕持ってたいわ。
何か想像したらおかしくなってきて、思わず笑ってしまった。
「ん?起きてるようだな。それじゃ、顔を上げてくれるか?」
……ってもしかしてウチのこと?!
慌てて顔を上げると、眩しくて目がチカチカしてしまう。
「大丈夫みたいだな。それじゃ式の説明をするからしっかり聞いておくように。特に天宮日生さん、な」
声の主は教卓でこっちを見て笑ってた。お父さんよりちょっと若い感じの人。でもそんなことはどうでもよくて、教室中がこっち見て笑ってる気がする……あかん、もっかい突っ伏しそう……
「えー、この度1年6組の担任になった児玉だ。詳しい自己紹介は入学式の後ということで。
さて、入学式の説明だが、座席は出席番号順になるから、この後並んで講堂に行くぞ。
式場に入るときは一礼を忘れないように。
あとは……まあ長々と話が続くから我慢するように。
君たちの代表の宣誓もあるしな」
何かフランクというか適当というか……先生っぽくないっていうか。
でもよく見ると結構オシャレな感じで、人気がありそうな感じやね。
「少し長いから、トイレなどはすませておくように。
あと、つまらないからって途中で寝ないこと」
……何でこっちを見るんよ?
ある意味イジメのような気がする……
お手洗いに行っていた人らも戻ってきて、先生の指示でみんなが教室の前の廊下に並んでいく。ウチの前は男子やったけど、見上げるくらいに背が高い。まあ、ウチが縮んだんも原因やと思うけど。はぁ、ほんまに縮みすぎやね。
なんてボーっとしてたら後ろからつんつんと突かれてしまった。
「あの、天宮さん?前進んでるよ?」
振り返ると、教えてくれたのは、知らない人やったけど、何故かウチの名前を……なんて考えてる場合やない!慌てて前を見ると、先生と出席番号1番の男子はもう5mほど進んでた。
「す、すみませんっ!」
「あー、いいからいいから、早く行こ?」
ちょっと急ぎ足で前を追いかけたけど、ウチの後ろの子たちみんなちょっと駆け足になってしまってる……うぅ、また失敗……
その後はちゃんと集中してたから、遅れることもなかったし、式場に入るときの一礼も忘れへんかった。先生の指示で順番に詰めて座って式の開始を待つだけになったんやけど、後ろに4クラスあるからちょっと待ち時間ができてしまってた。
何となくぼーっと舞台の方を見てたら、横からつんつんと突かれた。
「天宮さん大丈夫?まだ眠いとか?」
「ふぇ?!」
突ついてきたのは隣に座ってる女の子で、さっき前が進んでることを教えてくれた子やった。ちなみにこの席ってことは、出席番号がウチの次ってことやね。清楚で知的なお姉さんって雰囲気で、メガネが似合ってた。
で、直前のセリフはきっと教室での件と今ぼーっとしてたのが誤解の原因やんね……
「あの、大丈夫、です」
「そう?それならいいんだけど。
あ、そうそう、まだ名前を言ってなかったよね。
わたしは稲森葉月です、よろしくね。
ってそろそろ始まりそうね」
稲森さんの視線の先では10組の生徒がもう席に着いていた。ウチが稲森さんに挨拶を返す間もなく、入学式が始まってしまった。
式自体は恙なく終わり、新入生は先に退場になって、今度は10組から順番に外に出て行っている。
6組の順番になって列について出て行こうとすると、保護者席の一番前にお父さんとお母さんと、何故かベルさんまで一緒に座ってるのを見つけてしまった。ベルさんが手を振ってくれてるけど、さすがに振り返すのは恥ずかしいわ……
会場を出ると、教室に戻るように指示があった。すぐに戻ろうと思ったんやけど、後ろから肩を叩かれて振り返る。
「天宮さん、一緒に行かない?」
「え、あ……」
声を掛けてくれたのは稲森さんやった。こんな風に誰かに誘ってもらうのもずいぶん久しぶりやったから、思わす緊張して声が詰まってしまって、首をコクコクと縦に動かしたんやけど、それを見て稲森さんがくすくすと笑いだした。
「天宮さんって、もしかして恥ずかしがり屋さん?」
「あう……」
思わず首を竦めてしまう。きっと顔も赤くなってるんやわ……
「ごめんね、もしかしてあんまり声掛けない方がよかった?」
「う、ううん!」
今度は首をぶんぶんと横に振って答えたんやけど、またしても稲森さんに笑われてしまった。
「よかった、それじゃ一緒に行きましょ」
そういうと稲森さんはいきなりウチの手を取って歩き出した。突然手をつながれたことにびっくりして、ウチは稲森さんに引っ張られていくような感じになってしまったんやけど、周りの人らが何故か顔を赤らめてウチらのことを見てる気がする……
お友達第1号の稲森葉月さん。見た目通りちょっとお姉さんな性格、かな?
入学式?オモシロイコトナンテアリマセンヨ…偉い人?の長い話を聞いて、起立着席を繰り返すだけですから…(偏見?)




