雛祭り
「ねぇ、綾人。今日は雛祭りだね。」
奈美が何を思ったのか突然そんな事を言い出した。奈美が突発的な事を言う理由はいつも決まっている。
「だからなんだってんだ。」
綾人は知らん振りをしてそう言った。
綾人と奈美は長い付き合い、というか幼馴染みなので勿論奈美がいきなりそんなことを言う理由を知っている。
「だからなんだってんだ。じゃないわよ!!
雛祭りって言えば女の子の日じゃない。なんかちょーだい!」
と、奈美は綾人に向かって手を突き出した。
綾人は大きく溜め息をつき
「雛祭りだからって、俺が奈美になにかやる理由にはならないだろ。」
「男なんたから細かい事気にしてんじゃないわよ。
なんかちょーだい。」
奈美は綾人にずいずい詰め寄って来た。
「まてまて。そもそもなんかってのはなんなんだよ。
お前ハロウィンの時もにたような事言って飴やったら投げ返して来ただろ。」
「飴なんてケチすぎんのよ。もっとケーキとかちょーだいって言ってんの!!」
綾人はまた大きく溜め息をつき
「俺今金無いんだよ。」
「知ってんのよ。一昨日給料日だったって!
しかも綾人、2月頑張ってたもんねー バイト!」
妖しく笑う奈美に綾人は観念したらしく
「分かったよ。何がいいんだ。」
と言った。
「いやったー!!さすが綾人!!
あたし欲しいものがあったの。だから今日は一日中あたしに付き合ってもらうからね!!」
といい、綾人の腕をつかんで走り出した。
「おい、ちょっと待てって!!」
平和な土曜日のことだった。
綾人はこうしていつも奈美に振り回されているのだ。
読んでくださって誠に有り難うございました。
突発的に書いて、時間もそんなにかかってないので変なところがあるかも知れませんが、すみませんでした。
それと、これは昨日投稿したのですが、間違えて消してしまったのでまた投稿させていただきました。
感想など貰えると嬉しいです。