第九話 魔族四大将軍、レーグル現る
近々、キャラ紹介しまーす
「……ん?」
俺は不意に目が覚め、窓の外を見た。
月が南中していた。
「……まだ、夜中じゃねぇか」
俺は何気なく、窓の外に広がる景色を見た。
しばらくの間、景色を眺めていた。
すると、視界の端を走る者があった。
「なんだ?」
俺が注視すると、それはサキだった。
「……なんか嫌な予感……」
俺は壁に立てかけていた銀を腰に帯刀し、その窓から飛び出した。
side サキ
いつものように、私は夜の巡回に出ていた。
当然の如く、私一人。
「ふっ……!!」
今は木から木へと飛び移りながら、移動しまくっている。
索敵をしながら、森の中を駆け抜けた。
「……ッ!!」
索敵に引っかかるものがあり、私は木の上で急ブレーキをかけた。
「あれは……!?」
私の目の先には、魔物の群れがいた。
しかも、先頭には「キマイラ」という、上級の魔物がいた。
「あんなのが、村に来たら……!!」
村のみんなを呼びに行くには、村から離れすぎている。
私は躊躇うことなく、腰からトンファーを抜き、構えた。
「そんなことさせない!!」
私は木の上から飛び降りた。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ドゴォン!!
着地と同時に右手を振り下ろし、一匹の魔物を殴った。
「私が相手だ!!」
そう叫ぶと、周囲から次々に魔物が襲いかかってきた。
「はぁぁぁぁぁ!!」
右の敵を殴り飛ばし、振り返りざまに左で薙ぎ払う。
しかし、突然右肩に火が灯ったような、痛みが走った。
「つぅ……」
しかし、痛みで怯んでいるような暇は無い。
「やぁぁぁぁ!!!」
私は再び魔物に飛びかかって行った。
side out
俺はサキが行ったと思われる方へ、木々の間を飛び移っていた。
「ん?なんか聞こえるな……」
俺は、音の聞こえた方へ急いだ。
―なんでこんなに胸騒ぎがするんだ
音がだんだんと近づいてきた。
そして、音の原因が分かった時、俺は絶句した。
「んな……!!」
そこには、多くの魔物の死骸の中で一際異彩を放っている魔物と戦っているサキがいた。
全身傷だらけで、肩で息しているのが分かる。周囲にもまだ魔物が多く残っていた。
「無茶しやがって……!!」
俺は腰から銀を抜き去り、木から飛び降りた。
「チッ!!」
俺はサキの後ろに迫っていた魔物を一回転し斬り伏せた。
「レン!?」
「お前、何やってんだよ!!死にてぇのか!!」
着地と同時に地を蹴り、次の魔物に斬りかかった。
「お前は休んでいろ!!」
「でも!!」
「そんな傷で何しようってんだ!!」
俺は口を動かしながらも、次々に魔物を斬り伏せていった。
だが、相手の数も相当なものだった。
だんだん押され気味になってきた。
「くそ!!キリがねぇな」
「私も一緒に戦う!!」
「だが……」
「まだ動ける!!」
そう言うと、サキは迫って来ていた魔物を殴り飛ばした。
「そうか、なら一緒に行くぞ!!」
「うん!!」
俺達は互いの隙をカバーし合い、魔物達を着実に減らしていった。
そして十分後、残ったのはデカい魔物ただ一匹だけだった。
「あとは、テメェだけだな」
そして、俺達が飛びかかろうとした時だった。
「あ~あ、キマイラ以外全滅かよ。まったく役に立たないねぇ~」
キマイラの後ろの陰から、人が歩み出て来た。
それを見た途端、サキが声を張り上げた。
「貴様ァァァァァ!!!」
「サキ!?」
俺は、突然殴りかかろうとしたサキを止めた。
「離して!!」
「おいお~い、なんだ~?おれっちにケンカ売るの~?」
「ふざけんな!!アンタが、アンタが私の親を殺したくせに!!」
サキのセリフで、男の正体が分かった。
―コイツ、レーグルっていってた奴だな。
「殺した~?……あぁ、あの獣人二人か」
「この……!!」
「あの二人の娘か。フッ、じゃ、おれっちが相手してやんよ。キマイラ、お前はそっちの男を殺れ」
「ゴアァァ!!」
キマイラと呼ばれた魔物は、俺に飛びかかってきた。
「くそが!!」
「レン!?」
俺は咄嗟に飛びずさり、キマイラの攻撃をよけた。
「グルルル……」
「テメェの相手をしてる暇はねぇンだよ!!」
俺は銀を握り直し、次の攻撃に備えた。
side サキ
レンはキマイラの相手で精一杯のようだ。
―私が、コイツを倒すしかない!!
「どうした~、かかってこないのか?」
「ふざけるな!!」
「口だけか?」
「このっ!!はぁぁぁぁ!!!」
私はレーグルまでの距離を一気に詰め、殴り掛かった。
確かに私の拳はレーグルをとらえていた。だけど……
スカッ
「えっ?」
「甘めぇンだよぉぉぉ!!!」
ドゴッ!!
「ぐっ!?」
突然脇腹に回し蹴りがめり込んだ。
「オラオラオラオラァァ!!!」
次々に蹴られ、私は吹き飛ばされた。
「ガハッ、ゴホッ、ゴホッ」
「おいおい、そんなんで、おれっちにケンカ売って来たのか?」
「くっ……」
「テメェの親の方が強かったぞ?」
「このぉ……!!」
「しっかし、テメェもテメェの親もかわんねぇな!!」
突然、レーグルが腹を抱えて笑い出した。
「ククク、クハハッハハハハ!!!相手の力量もわかんねぇのに、何度も何度も歯向かってきやがってよぉ!!馬鹿かってんだよ!!クハハハ!!!まったく、おかげでついつい殺しちまったじゃねぇか!!」
「な……、ついつい……だと!!」
「ワリィか!?うぜぇんだよ、自分だったらできるとか、そんなこと思ってる奴はよぉ!!」
「こ、の……!!」
体が痺れて動かない。
「無駄無駄ぁ、諦めておれっちに殺されろ」
「いやっ……」
「『いやっ……』じゃねぇンだよ」
どんどん近づいてくるレーグル。
「そういや、お前の親も命乞いして来たなぁ」
「う、嘘っ!!」
「嘘じゃねぇンだよ、これが!!まったく、傑作だっだよ、あれは。ククク……」
再び笑い出したレーグルの声を遮るように、声が聞こえてきた。
「黙れ……」
「あぁん?」
聞こえてきた声はレンの声だった。
キマイラの攻撃を受け止めた状態で声を出しているようだった。
「黙れよ……」
「誰が黙るかよ。ンだぁ?テメェも命乞いするか?」
「黙れって言ってんだ……」
「命乞いして来るんだったら、キマイラを下げてやるよ」
「……」
「ハッ!!テメェもコイツの親と同類だな!!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ボッ!!
レンが声を張り上げたと同時に、黒い炎が爆発し、一瞬で消えた。
「な、なんだ!?」
さすがのレーグルも驚いているようだ。
炎に包まれたキマイラは、レンから距離をとった。
そして、その場で縮こまってしまった。
「おい、キマイラ!!テメェ何してる!!」
「キュウゥン……」
「あぁん!?」
レーグルの言うことも聞かなくなったキマイラは、黒い炎を纏ったまま逃げ去った。
「ちっ、役立たずが!!」
レーグルは吐き捨てるようにそう言った。
そして、レンがゆっくりとレーグルに向き直った。
「消え失せろ」
「それはおれっちのセリフだっつーの!!」
レーグルはレンに飛びかかり、上段の回し蹴りを繰り出した。
「フッ!!」
だが、レンは無言で回し蹴りを避け、剣を振り上げた。
「チッ!!」
魔族ならではの避け方で避けたレーグルは、レンの剣を蹴り飛ばした。
バキィン!!
レンの剣は折れてしまい、使い物にならなくなってしまった。
だが、レンはそんなことを気にせず、レーグルを蹴り飛ばした。
「くっ!!」
レーグルはレンを睨みながら、忌々しそうに言い捨てた。
「テメェ……何モンだ……?」
「ただの人だよ」
「ハッ……お前の顔、覚えたぜ……」
レーグルはそう言うと、闇に溶け込みだした。
「ま、待て!!逃げるな!!」
「うっせー、獣人。テメェを殺すのはまた今度だ。じゃあな、自称人間。次もこういくとは思うな?」
「二度と俺の前に現れるな」
「アッハハハハハ!!!そりゃ無理な注文だ!!」
笑い声を残し、レーグルは闇に溶けて行った。
「う……」
「レン!?」
レーグルが消えた途端、片膝をついた。
「大丈夫だ……それより、村に戻ろう」
「う、うん……」
そして、私達は村に戻ったのだった。
次回予告
レーグルを退くことが出来た蓮達。
しかし、蓮の剣は壊れてしまっていた。
村長の言葉に従い、洞窟に向かうことに。
そこで見つけた物とは……?
次回乞うご期待!!




