カランド(17)
[聖奈美]:「少し、見直したわ」
[吹雪]:「そりゃどうも」
[聖奈美]:「あたし、あまりこういう物に関しては詳しくないから、結構新鮮ね」
[吹雪]:「寄ったりしないのか? 学校の帰りとか」
[聖奈美]:「正確には寄れないのよね、生徒会で忙しいし、あたしの帰り道は商店街から逆方向だから」
[吹雪]:「それじゃあしょうがないな。休みの日に遊びには来ないのか?」
[聖奈美]:「そう思い立ってたら、もっと商店街に詳しいでしょう?」
[吹雪]:「……杠は家に居ることが好きなのか?」
[聖奈美]:「そ、そういうわけじゃないわよ! 引きこもりみたいに言わないでちょうだい」
[吹雪]:「だって、家で遊ぶほうが楽しいんだろう」
[聖奈美]:「そういうわけじゃないわよ。こっちにも色々やらなくちゃいけないことがあるのよ」
[吹雪]:「色々ね」
色々何をやってるのか聞きたいところだが、あまり踏み込むのもこいつに迷惑だろう。
[聖奈美]:「お前を見てると、生徒会に入らなくて正解だったって思うよ」
[吹雪]:「何よそれ、何だか癪に触る言い方ね」
[聖奈美]:「喧嘩を売ってるわけじゃないって。ただ、適任がつかないとやっていけない役職だなって実感しただけだ」
[吹雪]:「枠組みはあれでも部活動ってことになってるわ。あなたたちと同じ括りよ」
[聖奈美]:「だったら尚更じゃねぇか。進んで学校を動かそうとできる奴なんてそういないだろ。お前や祐喜がしっかりやってるから、学校だって成り立ってるんじゃないか。だから、俺は生徒会に入らなくて正解だったと思うんだよ」
[聖奈美]:「最終的にどういう意味に結びつくわけ?」
[吹雪]:「これからも頑張ってくれってことだ」
[吹雪]:「……すごく他人行儀ね」
[聖奈美]:「呼ばれれば手伝いに行くぜ? 俺は変わり者らしいからな」
[吹雪]:「変わり者は関係ないでしょう」
[聖奈美]:「でもその事実はお前の中では揺るがないんだろう?」
[吹雪]:「当たり前よ、てこを使ったって動きやしないわ」
そこまでなのか。
[聖奈美]:「多分思ってるのはあたしだけじゃないわ。胸に止めておきなさい」
[吹雪]:「止めといて俺はどうすればいいんだよ?」
[聖奈美]:「そのうち自分がどうしておかしいのかに気付くんじゃない?」
[吹雪]:「何だそれ?」
[聖奈美]:「言ったとおりの意味よ」
言ったとおりがよく分かってないんだよな……。
[ダルク]:「はい、聖奈美」
[聖奈美]:「ええ」
二人で仲良く回し飲みをしている。
[聖奈美]:「ちゅう、ちゅう……ごちそうさま」
どうやら飲み終わったらしい。




