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ソプラノ  作者: BAGO
カランド
82/1013

カランド(8)

……………………。

[カホラ]:「半分くらいみたけど、出てこないわね」

[吹雪]:「はあ、やっぱりないかー」

こんなはずじゃなかったんだけどなー。

[カホラ]:「しょうがないわ、こういうこともあるでしょう」

次は気をつけないとな。

[カホラ]:「一旦ゴミを捨てましょうか? 吹雪、ゴミ箱持ってきてもらえるかしら?」

[吹雪]:「了解です」

俺は部室に戻り、ゴミ箱を取りに行く。

[カホラ]:「ありゃ、何だよ、まんぱんじゃねぇか」

ここの掃除当番、ゴミ捨てに行くのサボりやがったな。これじゃ不必要な用紙は入り切らないぞ。

[吹雪]:「うーん……」

はあ、ここで悩んでても解決には結びつかないよな。この状況を変えられるのはただ一人。そう、俺だ。

[吹雪]:「行くしかねぇか」

俺はゴミ袋を焼却炉に持っていくことにした。

……………………。

はあ、次はちゃんと捨てに行ってほしいもんだ。さて、ちょっと遅れてしまったが、準備室に行こう。

[カホラ]:「ちょ、ちょっと? 吹雪? これは何なの~?」

[吹雪]:「え? 何ですか?」

[カホラ]:「とにかく、こっちに来てよ~!」

何だか先輩が慌てている。俺は言われるままに準備室へと入った。

[吹雪]:「どうしたんですか? せんぱ、い……」

[カホラ]:「…………」

先輩の手に握られていたもの。それは――、

[吹雪]:「おっぱい万歳、巨乳の女優はどんな味……のおおおおおおっ!?」

アダルトDVDだった。

[カホラ]:「何でこんなものが準備室にあるのよ!?」

[吹雪]:「し、知らないですよ。俺もびっくりです」

[カホラ]:「本当に? 部室でこっそり見てたんじゃないの?」

[吹雪]:「そ、そんなことしないですよ。何でわざわざ学校でそんなもの見なくちゃいけないんですか?」

[カホラ]:「じゃあ何でこんなものがここにあるの? しかもこんなところから出てくるってことは、絶対隠してたってことじゃない」

[吹雪]:「それは分かりませんけど、とりあえず俺じゃありません。俺はそんな過激なの持ってません」

[カホラ]:「過激なのってことは、違うのは持ってるってこと?」

[吹雪]:「え? そ、そんなこと……ないです」

[カホラ]:「絶対持ってるでしょ! もう、エッチ~」

[吹雪]:「何故俺が責められてるんですか?」

[カホラ]:「だって男の子じゃないの! 男の子しかこんなもの見ないわよ」

[吹雪]:「でも、俺は見てません。そのパッケージだって初めて見ましたよ」

[カホラ]:「本当に?」

[吹雪]:「本当です」

こんなもの学校に持ってくる奴なんて、あいつしかいない。


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