カランド(7)
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[カホラ]:「うーん、ないわねー」
[吹雪]:「おっかしいなー」
捨てたということは絶対にない。おぼろげではあるが記憶は残っている。
[カホラ]:「用紙の形状とかって覚えてるかしら?」
[吹雪]:「形状は、極普通のものです。ホームルームで配られるような感じの」
[カホラ]:「じゃあ、これと言って特徴もないのね」
[吹雪]:「はい、くそー、こんなことになるなら自分の家に保管しとけばよかった」
[カホラ]:「まだ無くしたって決まったわけじゃないでしょ? それに、職員室に行けばもらえるんだし、そこまで悔しがらなくてもいいことじゃない?」
[吹雪]:「そうですね」
[カホラ]:「他の場所は? ひょっとしたらこっちに入れたとかって記憶はない?」
[吹雪]:「うーん、基本的に部に配られる用紙はここにしまうようにしてるんですよね。後何処かに保管するってなると……準備室くらいですかね?」
[カホラ]:「準備室ね、行ってみる?」
[吹雪]:「そうですね、多分ないと思いますけど」
[カホラ]:「でも、ひょっとしたらってことあるでしょう? 探してみるに越したことはないわ」
[吹雪]:「ですね、行ってみましょう」
俺たちはすぐ隣の準備室に移動する。
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[吹雪]:「そこに、色々なプリントが入ってますから、あるとしたらそれに混じって、ですね」
[カホラ]:「そう。じゃあ、手分けして探しましょう」
[吹雪]:「はい」
俺たちはゴソゴソとボックスの中を漁る。
[カホラ]:「何だか、私たちの部活と関係ないものもたくさん入ってるわね」
[吹雪]:「まあ、準備室は隣の部と共同で使わないといけないですから。そっちの部の用紙が混ざってるんでしょう」
[カホラ]:「いらないのなら捨てればいいのに、どうせ使わないでしょう? こんなの。去年の部活会議の日程表とか」
[吹雪]:「確かに、不必要な臭いがプンプンしますね」
[カホラ]:「この際、いらないものは捨てちゃいましょうか? 研究部のだけでも、片付ければ準備室の収納にもなるでしょう」
[吹雪]:「そうですね」
綺麗にしておくに越したことはない。