エネルジコ(5)
[セフィル]:「ちょっと考えてみるだけいいじゃないか? 頭の中を空にして、一番最初に浮かんだ人物」
[吹雪]:「それは、あの4人限定ですか?」
[セフィル]:「うん、モチロンだ」
[吹雪]:「…………」
[セフィル]:「さあ、シンキングタイムを与えよう」
[吹雪]:「はあ、はあ……」
[セフィル]:「おい吹雪、息が荒れてるぞ?」
[吹雪]:「そりゃそうでしょう? 今、走ってるんですよ? それに、ペース上がってるんですよ」
[セフィル]:「ああ、そういえばそうだな」
[吹雪]:「いや、有り得ないでしょう? それは」
[セフィル]:「まあ、しばらく口を挟まないからしばし考えてみるといい」
[吹雪]:「絶対なんですか? それは」
[セフィル]:「しなかったら停学にでもするか?」
[吹雪]:「重すぎますよ、それは……」
[セフィル]:「じゃあ、するしかないだろう」
何故そこまで強要するのか……。最初に浮かんだ人物、か。
・舞羽
・聖奈美
・繭子
・カホラ先輩
[セフィル]:「浮かんだか?」
[吹雪]:「まあ。でも、言うのは勘弁してください、恥ずかしいですから」
[セフィル]:「仕方ない、そこは汲み取ってあげるとしよう」
[吹雪]:「ありがとうございます」
[セフィル]:「……で? 気になってる人は?」
[吹雪]:「随分古典的なギャグですね……」
[セフィル]:「昔はウケていたんだがな、こういう典型的なものは」
[吹雪]:「あはは……」
[セフィル]:「さて、ここからは真面目に走るとしようか。息も上がってきてるみたいだしな」
学園長の会話に応じてたからなんだが、それは言うべきじゃないだろう。
[セフィル]:「よし、ペースアップだ」
[吹雪]:「は、はい……」
俺は意識してピッチを上げた。
……………………。
…………。
……。