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ソプラノ  作者: BAGO
エネルジコ
65/1013

エネルジコ(1)

12月11日(土曜日)


 [場所:グランド]


[セフィル]:「今日は気分転換に、ピアニストのみんなには吹雪のメニューに付き合ってもらおうと思う」

[舞羽]:「吹雪くんのメニューですか?」

[セフィル]:「そうだ、ずっとピアノピアノでは、みんなも息が続かないだろう? こうやって普段と違う趣向のメニューを入れることで、効率的なガス抜きが可能になると思うんだよ」

[聖奈美]:「なるほど」

[セフィル]:「吹雪もそう思うだろう?」

[吹雪]:「え? はい、そうですね」

[セフィル]:「ほら、ハーモニクサーもそう言っているぞ」

[吹雪]:「学園長、俺はいつもどおりのメニューをこなせばいいんですか?」

[セフィル]:「そうだな、吹雪はいつもどおりに、メニューどおりに進めてくれ」

[吹雪]:「はい、分かりました」

俺のガス抜きはどうやらないらしい。

[セフィル]:「すまんな、ガス抜きはピアニストとの戯れで我慢してくれ」

[吹雪]:「た、戯れ!?」

[カホラ]:「ちょっとお母さん、朝から変なこと言わないで」

[セフィル]:「おっとすまない。口が滑ってしまった」

[繭子]:「それで、ワタシたちは何をすればいいんですかー?」

[セフィル]:「うむ、まずは体力付けの基本、ランニングだ」

[舞羽]:「うわ、出た……」

周りの女子が少し顔をシカメる。

[セフィル]:「どうやら知ってる者もいるようだな」

[舞羽]:「はい、吹雪くん、いつも息を荒げて午後の授業に参加してますから」

[セフィル]:「心配するな、ピアニストのみんなにはそこまで全力で望んでもらおうとは思ってない。あくまで息抜き程度の気持ちで望んでくれればいい」

[聖奈美]:「そうですか」

[セフィル]:「吹雪はいつもどおりだぞ?」

[吹雪]:「はい、分かってます」

[舞羽]:「で、学園長、私たちは何周すればいいんですか?」

[セフィル]:「そうだな、このグランド1周が400mだから……逆に聞きたい。お前たちは何周くらい走れると思う?」

[舞羽]:「え? どうなんだろう」

[聖奈美]:「体育の授業とかだと2キロとかが普通ね」

[カホラ]:「そうね、男子は総じて女子よりも多く走っていたし」

[セフィル]:「気分転換で疲労してはマズいからな。じゃあ、とりあえず5周走ってみてくれ。辛かったら途中でやめてくれて構わない。あ、くどいようだが吹雪はいつもどおりな?」

[吹雪]:「はい、準備は出来てます」

[セフィル]:「うむ、結構。じゃあ女子たちも着替えてきてくれ。一足先にグランドで待ってるぞ」

[舞羽]:「はい、分かりました」

女子たちは更衣室へと向かって歩いていく。

[セフィル]:「……吹雪」

[吹雪]:「何ですか? 学園長」

[セフィル]:「女子たちの覗きには行かなくていいのか?」

[吹雪]:「いや、行きませんよ……」

死にたくはないからな……。


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