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ソプラノ  作者: BAGO
ヴィヴァーチェ
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49/1013

ヴィヴァーチェ(1)

12月9日(木曜日)


 [場所:グランド]


[吹雪]:「はあ、はあ……」

[セフィル]:「よーし、その調子だ。後3周、踏ん張るんだ」

学園長に背中を押され、必死で足を前に出す。この走り込みも始まって一週間近くになり、少しずつ慣れてきたかもしれない。疲労が溜まることには何の変わりもないんだけど。

[セフィル]:「よし、ラスト一周、スパートをかけるんだ」

[吹雪]:「はい! はあ、はあ……」

腕を必死で振り、ぐっと足を前に出す。

[セフィル]:「よし、ゴール」

[吹雪]:「はあ、やった……」

俺は力つきて芝に体を投げ出した。

[セフィル]:「うん、よく走りきった。大分、スタミナもついてきたようだな」

[吹雪]:「そうですか? はあ、はあ……」

[セフィル]:「そうさ、始めた当初と比べても、息の荒れ方がかなり穏やかだ。それだけスタミナが付いたということだろう」

[吹雪]:「ありがとうございます、はあ……」

[セフィル]:「おお、そうだ。ほら、ドリンクだ」

[吹雪]:「ありがとうございます」

喉を鳴らしてゴクゴクと飲んでいく。

[セフィル]:「はあ、うまい」

走り終わった後のドリンクのうまさは格別だな。

[セフィル]:「本当に、吹雪は美味しそうに飲むな」

[吹雪]:「学園長も飲みます? どうぞ」

[セフィル]:「うむ、そうしよう」

ドリンクを受け取り、そのまま口へ運ぶ。

[セフィル]:「はあ、ほうきで飛び終わった後のドリンクは格別だな」

[吹雪]:「疲れるんですか? ほうきに乗るのは」

[セフィル]:「飛んでる際は、そこまで感じないな。だが、確かに骨は入る。かなりの集中力が必要になるからな。自由に飛び回るには、魔力で制御をしなければならない。ただ乗っていれば自動で飛んでくれるわけではないんだ」

[吹雪]:「そうですよね、やっぱり」

[セフィル]:「乗ってない者から見れば、確かに簡単そうに映るかもしれないな」

[吹雪]:「そうかもしれませんね。学園長、すっごく簡単そうに乗りこなしてますし」

[セフィル]:「昔、血の滲むような練習をしたからな。制御がきかなくて、よく地面に放り出されたものだ」

[吹雪]:「本当ですか?」

[セフィル]:「本当だとも、最初から上手く乗りこなせる者など一握りだ。私にだって、吹雪たちのような時代もあったんだぞ」

[吹雪]:「ちょっと驚きですね」

[セフィル]:「そうだな」

[吹雪]:「いや、学園長は驚かなくていいでしょう」

[セフィル]:「おお、そうだったな」


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