表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソプラノ  作者: BAGO
エスプレッシーヴォ
46/1013

エスプレッシーヴォ(8)

・自宅


 [場所:自宅]


[吹雪]:「……遅いな」

6時頃には帰ってくると聞いていたんだが。もう15分程過ぎている。まあ午前中はマユ姉も練習だから、仕事が時間内に終わらないのも無理ないか。気長に待つとしよう。

……………………。

[繭子]:「ただいまー」

玄関の方から声がする。帰ってきたか。茶の間のほうに、スーツ姿のちっこいのがやってきた。

[繭子]:「ふー、疲れたー」

[吹雪]:「長引いたのか?」

[繭子]:「うん、ホントは上がることもできたんだけど、残すのやだったから終わしてきたの」

[吹雪]:「ほー、マユ姉にしてはまともな判断だな」

[繭子]:「でしょでしょー? エラい? エラい?」

軽い皮肉を言ったつもりだったんだけどな。

[吹雪]:「ごく一般的な判断だと思うぞ」

[繭子]:「それができたらエラいでしょー? ねえ、誉めて? 誉めてー」

[吹雪]:「ずっとそれができたら、誉めてやるよ」

[繭子]:「えー? ぶー、ぶー」

[吹雪]:「ブーイングしてもダメだ」

[繭子]:「うー、いいよ、頑張るから」

[吹雪]:「その意気だ」

さてと。

[吹雪]:「マユ姉、ちょっと買い出しに付き合ってくれ」

[繭子]:「え? 買い出し?」

[吹雪]:「そう、買い出し」

[繭子]:「あれー? いつもふーちゃん一人で行ってなかったっけ?」

[吹雪]:「まあそうなんだが、とりあえず、これ見れ」

俺は二枚の広告を見せてやる。

[吹雪]:「今日はセールがあるんだよ。野菜がいつもより安いし、卵に至っては半額くらいで買えるかもしれない。でも、お一人様一点限りなんだ。だから、マユ姉に来てもらって、二つ購入したいんだ。付き合ってくれ」

[繭子]:「うん、分かったー。ワタシ、全力で頭打つよー」

自分の役割を分かってくれて何よりだ。

[繭子]:「じゃあ、着替えてくるから少し待っててねー」

[吹雪]:「なるべく早くな」

[繭子]:「はーい」

こういう時は、マユ姉でも役に立つな。逆を言えば、こういうとこでしか役に立たないんだが。まあ、昔からこんなだからいいんだけど。

さて、俺は外に出て待ってるか。

……………………。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ