表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソプラノ  作者: BAGO
ドルチェ
38/1013

ドルチェ(3)

[場所:学園長室]


[吹雪]:「泊まり込みですか?」

[セフィル]:「うん、そのほうが効率がいいのではないかと思ってな。どうだろう?」

[舞羽]:「そうですね」

[カホラ]:「それくらいしなくちゃ、やっぱりダメだと思うしね。いいんじゃないかな?」

[セフィル]:「よし、じゃあそういうことにしよう」

どうやら決定したようだ。

[セフィル]:「日にちは15日から。その日からは夜の練習も織り交ぜていくから、それぞれメモしておいてくれ」

[聖奈美]:「はい、分かりました」

学園長の提案は、より効率的な練習に望むために、学園を寝床にして行事の練習を計ろうというものだ。学園を拠点にすれば、普段は帰宅などで潰れてしまう時間が有効的に利用できる。また、同じ時間をみんなで過ごしていれば、お互いの意志疎通も取れる。特に俺なんかはみんなと親睦を深めるのも大事な役割、イヤでもピアニストのみんなのことが少しは分かるはずだ。むしろこの泊まり込み計画は俺のためにあるのかもしれないな。

[セフィル]:「泊まる部屋はこちら側で手配する。各自、その日が近づいてきたら準備をしておくように。あ、そうだ。夕食に関してなんだが、少し意見を聞かせてくれ。各自がそれぞれ勝手に済ませたいか? それともみんなで作ってそれを食べたいか?」

[舞羽]:「どっちがいいんだろう」

[繭子]:「みんなで分担するって何かいいなー。合宿してるみたいで楽しそうー」

[吹雪]:「実際合宿みたいなもんだろ」

[聖奈美]:「学園側としてはどっちのほうがいいんですか?」

[セフィル]:「一応、こちら側の提案だから、どっちがいいとしても援助金は出すつもりだ。だが、一人一人が違う食事をとるよりも、みんなで同じ料理を食べたほうが金の節約にはなるだろうな」

[カホラ]:「そっか、そうなるとあまり別々にっていうのはよろしくないわね」

[繭子]:「じゃあ、みんなで作ろうよ。舞ちゃんは料理得意だし」

[セフィル]:「お? そうなのか? 舞羽」

[舞羽]:「と、得意ってほどじゃないですけど、作ることはできます」

[セフィル]:「それは心強いな、一人得意な人間がいるだけで救いがあるってものだ」

[繭子]:「ね? だからみんなで作ろう。ね? ふーちゃん」

[吹雪]:「俺は別にいいが、他の奴らにも聞いておけよ」

[繭子]:「ねえ、どう? みんなー」

[カホラ]:「そうね、そっちのほうがもっと仲良くなれそうだし」

[聖奈美]:「学園の経済状況のためにも、そのほうがいいでしょうしいいんじゃないですか?」

[繭子]:「やったー」

[セフィル]:「じゃあ、みんなで、ということでいいのか?」

[吹雪]:「みたいですね」

みんなもうなずいている。「本音を言えば、こちら側としてもそのほうが助かった。感謝するよ」

[聖奈美]:「あ、それにあたって一つ提案があるんだけど、いいかしら?」

[カホラ]:「何? 聖奈美?」

[聖奈美]:「いくら半月って短い期間だとしても、ずっと須藤さんに料理をさせるっていうのは須藤さんに負担をかけることになるわ。だから、今日は誰が作る、みたいな当番制にするのがいいとあたしは思うんだけど」

[カホラ]:「うん、そうね。ずっと舞羽に作らせるっていうのは、ちょっと悪き気がするわね」

[舞羽]:「別に大丈夫ですよ? 私は」

[聖奈美]:「いえ、それじゃあ少々不公平だわ。ここは仕事を分けたほうがいい」

[舞羽]:「じゃ、じゃあこういうのはどうかな? 私は料理を担当するから、身の回りの家事をみんながやってくれるみたいな。ほら、家事って言っても料理だけじゃないでしょ? 洗濯とか買い出しとかもあるわけだし、それをみんなにやってもらえれば、バランス的には同じにならない?」

[聖奈美]:「まあ、確かにそうかもしれないけど、一番手間がかかるのは料理でしょう? 釣り合わない気がするのよね」

[カホラ]:「うーん、じゃあ、こういうのはどうかしら? この中で、自分はそれなりに料理できるって思う人は手を挙げてみて」

三人の手が上がった。

[カホラ]:「なら、私を含めて舞羽、聖奈美の三人で夕食の仕込みを回しましょう。これなら舞羽だけに負担が偏らないでしょ。で、吹雪と繭子先生に身の回りの家事をやってもらう。どうかしら? 悪くない案だと思うんだけど」

[聖奈美]:「確かに、三日に一回ならそこまで苦にもなりませんね。あたしは賛成です」

[カホラ]:「舞羽は? どう?」

[舞羽]:「うーん、いいのかな?」

[カホラ]:「いいに決まってるでしょ? みんなで生活を送るわけだし」

[舞羽]:「はい、なら私も賛成です」

[カホラ]:「吹雪と繭子先生は? いいかしら?」

[吹雪]:「はい、問題ありません」

[繭子]:「全然オーケーだよー」

[カホラ]:「じゃあ、これで決定ね」

俺とマユ姉が身の回りの家事ってことは、実質俺一人がそれを全てやるってことになるのか。

[繭子]:「よーし、ワタシ頑張るよ」

[吹雪]:「いや、マユ姉は何もしなくていい。ただ静観していてくれ」

[繭子]:「えー? どうしてー?」

[吹雪]:「それはマユ姉が一番知ってるだろうが」

[繭子]:「うーん。…………」

[吹雪]:「…………」

[繭子]:「よーし、頑張って静観するぞー」

[吹雪]:「うん、それでいい」

[繭子]:「あ、あははは……」

[カホラ]:「じゃあ、どうしましょうか? どうローテーションするのがいいかしら?」

[聖奈美]:「別にどう回してもリスクはないでしょうし、適当でいいんじゃないですか?」

[カホラ]:「そうね、じゃあ……私は三番目にするわ。二人で一番か二番を決めてちょうだい」

[聖奈美]:「須藤さん、どっちがいい?」

[舞羽]:「じゃあ、私が最初にするよ」

[聖奈美]:「分かったわ、じゃああたしは二番目ね」

[カホラ]:「ということになったわ、お母さん」

[セフィル]:「うむ、了解した。その日になったら、こちら側で食材費を出そう。遠慮なく言ってくれ」

[カホラ]:「ええ、分かったわ」

[繭子]:「なーんか、ちょっとわくわくしてきたよー」

[舞羽]:「うん、ちょっと楽しみかも」

15日からって言ってたな、覚えておかないと。


次回から二回目の選択肢が入ります。

好きな子をセレクトしてみてください^^

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ