聖奈美ルート・アダージオ(3)
[祐喜]:「吹雪、隣いいかい?」(祐喜)
[吹雪]:「おう、祐喜。空いてるぞ?」
椅子を引いてやると、祐喜はありがとうと言って座った。
[吹雪]:「先生に呼び出しでもされたのか?」
[祐喜]:「いや、生徒会のほうでちょっとやることがあってね。聖奈美に書類の書き直しをお願いされたんだ」
[吹雪]:「大変だな、生徒会は」
[祐喜]:「まあね。でも、この経験はきっといつか生きてくるはずだから、社会勉強だと思ってやってるよ」
確かに、書類関係に関して無類の強さを発揮できそうだ。
[祐喜]:「よかったらどうですか? 生徒会? 大久保さん、須藤さん」
[吹雪]:「唐突な勧誘だな……」
[祐喜]:「人では大いに越したことはないからね。それに、二人だったら即戦力として活躍してくれそうだし」
[吹雪]:「一体、いつそんな好評価を頂いたんだ? 俺たち」
[祐喜]:「それはもちろん、普段の生活だよ」
[愛海]:「なるほど、だからワタシたち二人はハブかれてるのね?」
[祐喜]:「うん、そうだよ」
[翔]:「ゆ、祐喜、全く隠そうともしないんだな……」
[祐喜]:「だって、隠しても二人のためにならないし、はっきり言っちゃったほうがいいと思ったから」
[翔]:「日野……お前とは仲良くできる気がするぜ」
[愛海]:「そうね、以前から連帯感を感じてた気がするのは、決して間違いじゃなかったのね」
[翔]:「これから、もっと仲良くやっていこうぜ!」
[愛海]:「翔っち!」
横で男女間の友情が生まれていた。