聖奈美ルート・アダージオ(2)
[翔]:「須藤の作った弁当からはそれがすっごく伝わってくるんだよ。オレの弁当からはそれが全く伝わってこない」
[吹雪]:「いや、入ってるだろう。お前を思って作ったお母さんの愛情が」
[翔]:「お母さんの愛情はまた別物なんだよ」
[吹雪]:「……お前の理論はよく分かんねぇ」
[翔]:「結論、食いたいってことだ!」
[吹雪]:「じゃあ今のところの会話いらねぇだろ」
とても不毛な時間だ。
[翔]:「だから吹雪、交換しようぜー? オレのから揚げと須藤の生姜焼き」
[吹雪]:「ダーメーだ。お前に舞羽の料理を渡したら、使い道を間違える気がする」
[翔]:「食べる以外にどんな使い道があるんだよ!? そんなことは全然……これっぽっちも考えてないぜ?」
[愛海]:「翔っち、そこは大久保くんに『例えばどんなだよ?』 って聞き返さないとダメよ」
[翔]:「う、くそ、その手があったか。というか攻略法知ってるなら教えてくれよ、日野」
[愛海]:「自分で打開しないと翔っちのためにならないでしょう?」
[吹雪]:「……つうわけで、不埒な考えを持つ翔に分けてやることはできない。その邪念を払拭できたら考えてやる」
[翔]:「うう……修行するしかないのか? オレ」
正直、払拭するのは無理な気がする。