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ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ フォルツァンド
295/1013

カホラルート・フォルツァンド(4)

[舞羽]:「嬉しい、すごく」

[祐喜]:「喜んでもらえたら何よりだよ。僕たちは、成功すること信じてるから……みんな、頑張ってね」

[吹雪]:「おう!」

[舞羽]:「うん!」

[聖奈美]:「任せときなさい」

[カホラ]:「ええ」

[繭子]:「頑張るよ~」

[吹雪]:「――ところで祐喜。あれは、あのままでいいのか?」

[祐喜]:「え? ああ、これね」

これと言われて指差されたのは、祐喜の横に立っている翔のことだ。

[祐喜]:「さっきからずっといいなーってばっかり言ってて、いざ部屋に入ったら……どっかに魂飛んでっちゃったみたいだね」

[愛海]:「確かに、この空間には美女がたくさんいるもんね。不自然なくらい」

日野はそう言ってピアニスト4人を眺める。

[愛海]:「天は二物を与えずって言うけど、あれは嘘みたいね。美女で才能持ってる人ばかりがここにいるんだから」

[舞羽]:「べ、別にそんなことは……」

[愛海]:「はいストーップ! 舞羽、それ以上言うと、他の女子にいつか刺されちゃうわよ?」

[舞羽]:「さ、刺される!?」

[愛海]:「自覚は持てないとしても、口に出すのはやめとくのが吉よ? それが自己防衛になるから」

[吹雪]:「……女子の世界って、やっぱりドロドロしてるものなのか?」

[聖奈美]:「あ、あたしに聞くのやめなさいよ……」

[吹雪]:「……確かにそうか」

[聖奈美]:「今の間は一体何よ……」

[吹雪]:「ううん、気にしないでくれ」

[愛海]:「――だから、翔っちが飛んじゃうのは分からなくはないわね。見てるだけで幸せな空間だと思うし」

[祐喜]:「でも、一応言うこと考えてたみたいだし、そろそろ正気に戻さないと」

祐喜は右手の指を三本立て――。

[祐喜]:「ふっ!」

[翔]:「おおおっ!?」

背中の孔にビシっと突き立てた。

[翔]:「え? あ、オレ……えっと」

どうやら正気に戻ったらしい、目の色がいつもの翔になっていた。

[祐喜]:「言いたいことあるんでしょう? もう僕たち言ったから、後は翔だけだよ」

[翔]:「あ、ああ。そうなのか、えー、みなさん、オレは手助けも何もすることができませんが、成功することを心から祈ってますので、頑張ってください……決まった」

大きい独り言を零すあたり、こいつらしい。だが、女性陣は何だかんだ言って優しいから――。

[舞羽]:「ありがとう翔くん」

[繭子]:「その言葉で頑張れるよ、ワタシたち」

[聖奈美]:「儀式の時、ちゃんと起きてなさいよ」

[カホラ]:「しっかりやってくるわ」

[翔]:「うう……今年一番の幸せかもしれない」

どんだけ今年良いことなかったんだよ……。

[翔]:「そして吹雪よ」

[吹雪]:「ん?」

[翔]:「……今度こういうシチュエーションがあったら、オレを呼んでくれよ?」

これが、さっきの理由なんだろうと、俺は確信した。

[祐喜]:「じゃあ、僕たちはそろそろ行くよ。長居したら悪いだろうし」

[愛海]:「また学校で会いましょう」

[翔]:「みんな、オレのこと忘れないでくれよ」

[吹雪]:「おう、サンキューな」

三者三様の言葉を残し、三人は社会科室を出て行った。

[舞羽]:「予想外に、良いものもらっちゃったね」

[吹雪]:「早速食べるか?」

[舞羽]:「うん、せっかくだしね。私、お茶煎れてくるよ」

[聖奈美]:「須藤さん、あたしも行くわ」

――三人が来てくれたおかげで、俺たちから緊張が解けたようだった。やはり持つべきものは友達だな。

[カホラ]:「? ふふ」

偶然目が合ったカホラが、俺にいつもの笑みを浮かべてくれた。


――そして、来るべき時間がやってくる。


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