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ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ ソンス
291/1013

カホラルート・ソンス(20)

[カホラ]:「……すっかり積極的な男の子になっちゃったわね」

[吹雪]:「カホラの前限定だけどね」

[カホラ]:「そうじゃなかったら、怒っちゃうわよ、私」

[吹雪]:「…………」

[カホラ]:「ど、どうしてそこで黙るの?」

[吹雪]:「ちょっと、見てみたいなって一瞬……カホラが怒ったところ、一度も見たことないからさ」

[カホラ]:「怒ってる姿なんて、見てもつまらないでしょう。それを言ったら、私だって吹雪が怒ってる姿見たことないわよ?」

[吹雪]:「え? マユ姉とかにはしょっちゅう怒ってるじゃない?」

[カホラ]:「あれは本心からじゃないでしょう? もっと心から、本気で怒ってるところよ」

[吹雪]:「それは、確かにないかもね」

[カホラ]:「そんな姿を見たって、悲しくなるだけじゃない?」

[吹雪]:「……怒られる種類にもよるかな」

[カホラ]:「種類?」

[吹雪]:「カホラが俺のために一生懸命怒ってくれてるとするなら、それは喜びに変わると思うし」

[カホラ]:「……吹雪、そういう性癖を持ってるの?」

[吹雪]:「ないとは思うけど……ただ俺のためを思ってのものだったら、受け止められる自信がある」

[カホラ]:「まあ、それはもちろん――吹雪への愛情で動いてるとは思うわ」

[吹雪]:「なら、問題ないね」

[カホラ]:「あまり見せたい一面ではないけどね、恋人を怒るところなんて」

[吹雪]:「その時は、その時で」

見れたらラッキーくらいに思っておこう。

[カホラ]:「はあ……」

[吹雪]:「…………」

[カホラ]:「ん、くすぐったいわ」

サラサラの綺麗な髪をすいてやると、カホラはそう言ってクスクス笑った。別に嫌と言うわけではないらしい。

[カホラ]:「――成功できる気がしてきたわ、明日の儀式」

[吹雪]:「そういえば、勇気を交換し合う名目だったっけ」

[カホラ]:「あはは、後半は本能のままで動いちゃってたしね」

[吹雪]:「そうだね……すごく良かったけど」

[カホラ]:「そ、そういうのは言わなくていいわ。恥ずかしさのレベルが違いすぎるから」

[吹雪]:「あ、ごめん。――でも、後付けに聞こえちゃうかもしれないけど、カホラの勇気、しっかりもらえた気がするよ」

[カホラ]:「私も、吹雪の勇気――たっぷりもらえた気がするわ」

[吹雪]:「……頑張ろうね、カホラ」

[カホラ]:「ええ、ここまで歴史を知ったんだもの。失敗するわけにはいかないわ」

そう言ったカホラの目には、前以上に使命感が宿っていた。


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