表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ ソンス
290/1013

カホラルート・ソンス(19)

休憩を挟み、事後処理をした後、俺たちは図書室で寄り添っていた。まだ就寝まで時間があるのと、戻ってしまうと二人きりになれないから。

腰かける椅子があるにもかかわらず、俺たちは床に腰を下ろして座っていた。もちろん、右手でカホラを引き寄せて。

[カホラ]:「ん、暖かい」

[吹雪]:「もう暖房切れちゃってるからね」

[カホラ]:「まあ、こんな時間に利用する人もいないし、当然なんだけど」

[吹雪]:「寒かったら、もっと寄ってもいいからさ」

[カホラ]:「本当?」

[吹雪]:「当たり前だよ」

[カホラ]:「じゃあ、お言葉に甘えて」

体をもう一歩踏み込み、俺に完全に密着する。

[カホラ]:「はあ、こっちのほうが落ち着くわね」

[吹雪]:「俺としても、こっちのほうがいいかな」

[カホラ]:「どうして?」

[吹雪]:「カホラを近くに感じるからね」

[カホラ]:「十分近かったと思うわよ? この前の格好だって」

[吹雪]:「今は隙間もないから。気分的に、二人の距離はゼロって思えるんだ」

[カホラ]:「うふふ、何だかおもしろい考え方ね」

[吹雪]:「変かい?」

[カホラ]:「ううん、吹雪らしくていいと思うわ」

そう言ったカホラは頭の位置をずらし、俺の太腿を枕にし始めた。

[カホラ]:「普通は逆なんだろうけど、いいよね?」

[吹雪]:「カホラのしたいことは、俺のしたいことだよ」

否定する理由が見当たらない。

[カホラ]:「ゴツゴツしてるのかなって思ったけど、意外と柔らかいものね」

[吹雪]:「意識して固くしない限りはね」

[カホラ]:「じゃあ、今は力を抜いてるってこと?」

[吹雪]:「抜いてるっていうか、抜けてるっていうか……」

[カホラ]:「――もう、エッチね、吹雪は」

[吹雪]:「自分でも思った。今のは言わなくていいことだったね」

[カホラ]:「吹雪は素直だからね。でも、そういう裏表のないところ、私は好きよ」

[吹雪]:「カホラが好いてくれるなら、それだけでいいな」

[カホラ]:「他の人の信頼はいらないってこと?」

[吹雪]:「そういうわけじゃないけど、カホラに信頼されることが、今の俺には一番嬉しいことだからさ」

[カホラ]:「……まだ、このむず痒い感覚には慣れられそうにないわね」

[吹雪]:「無理になれなくてもいいじゃないか、恥ずかしがるカホラが見られないのは寂しいし」

[カホラ]:「そ、そんなところ見たいの? 吹雪は」

[吹雪]:「カホラの仕草は何もかもかわいいからね。可能なら見ていたいって気持ちがある」

[カホラ]:「……意識してできることじゃないわよ、そういうことは」

[吹雪]:「だからこんな風にして褒めてるんだよ」

[カホラ]:「ふ、吹雪、ひょっとして狙ってやってたの?」

[吹雪]:「まあ、ちょっと……でも、嘘は一言も言ってないよ」

全てが本心から来ている言葉だと自信を持って言える。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ