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カホラルート・ソンス(10)
やがて光は収まり、目の前には完璧に扉の存在を確認できた。
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「触れる?」
[カホラ]:「ええ、ちゃんとここにあるわ」
[吹雪]:「どういう仕掛けなんだろう? これは」
[カホラ]:「私たちの手がトリガーになってるのよね? ここだけ仕掛けが他の場所より一際すごい気がするわ」
[吹雪]:「それだけ重要なことが、ここに記されているのかな?」
[カホラ]:「入ってみれば、きっと分かるわ。行きましょう、吹雪」
[吹雪]:「ああ」
[カホラ]:「……大丈夫よね? 実は異世界につながっているとか」
[吹雪]:「そんなひどいことはしないと思うけど」
[カホラ]:「そうよね、考えすぎよね」
[吹雪]:「いざとなったら、二人で乗り越えていけばいいよ」
[カホラ]:「うん、そうね」
安心したのか、カホラはゆっくりとドアノブを捻って扉を開けた。
[カホラ]:「行こう、吹雪」
[吹雪]:「うん」
俺たちは扉の中に足を踏み入れる。
…………。