カホラルート・ソンス(6)
[場所:地下空間]
[吹雪]:「――とおっ!」
シュタ。……どうにか前回の二の前にはならなかったようだ。でも、まだ気は抜けないぞ。むしろ勝負はここからだ、カホラをしっかりキャッチして身の安全を確保しなければ。
[吹雪]:「カホラー!」
大声を出してカホラに応答を求める。すると、程なくして――。
[カホラ]:「吹雪ー!」
カホラの声が帰ってきた。まだ遠くから聞こえるから半分を少し過ぎたくらいだろうか?
[吹雪]:「今のうちに」
俺は落ちてくるであろうポイントでカホラの到着を待つ。
[吹雪]:「さあ、いつでも来い」
…………。
[カホラ]:「ふ、吹雪ー!」
大分声が近くなっている、もうそろそろか?
[カホラ]:「きゃあああっ!?」
悲鳴と共にカホラは出口から飛び出した。よし、ベストポイントだ。俺はしっかりカホラをキャッチした――が。
[吹雪]:「おわぁ!?」
やっぱり、そう上手くはいかせてくれないらしい。キャッチした時の衝撃でバランスを崩してしまい、カホラを抱えたまま盛大に尻餅をついてしまった。
[吹雪]:「う、うう……ケツが……」
[カホラ]:「だ、大丈夫? 吹雪」
[吹雪]:「あ、うん、全然大丈夫」
腰の次はケツか……というかケツだったら木から落ちた時にも強打したっけな。でもまああの時は一人で勝手に落下したわけだから、その時より成長はしてるな。
[吹雪]:「カホラは大丈夫? 怪我してないかい?」
[カホラ]:「ええ、おかげさまで。……もう、無理しなくていいって言ったのに」
格好はそのままで、俺の頬をぶにぶにと突いてきた。
[吹雪]:「いけると思ったんだよね。……格好よく決められなくてちょっと残念だ」
[カホラ]:「十分カッコいいわよ、こうして支えてくれたんだし。ね?」
[吹雪]:「あはは、ありがとう」
[カホラ]:「……ひょっとしたら、ピアリーたちもこんな状況になったのかしらね?」
[吹雪]:「可能性は、あるかもしれないね。というか、先人たちがこれを作ったのって……」
[カホラ]:「そ、それはないんじゃないかしら? ……理由はないけど」
先人たちにちょっとした疑問を持ってしまった。
[カホラ]:「ちょっともったいないけど、立たないとね」
[吹雪]:「よ、よろしく」
カホラは上体を起こして立ち上がった。やっぱり以前と同じ作りのようで、目の前にはもうストーンサークルが見えていた。
[カホラ]:「構造自体は、第4のストーンサークルと一緒みたいね」
[吹雪]:「そうみたいだね。だとすると、ストーンサークルの作りも、第4のものと似てるのかな?」
[カホラ]:「真実は目の前にあるし、見てみましょうか。吹雪、アシストよろしく」
[吹雪]:「了解」
俺たちはストーンサークルの調査にかかる。
……………………。