カホラルート・ソンス(5)
[吹雪]:「女性を守るのは男の仕事だよ」
[カホラ]:「……怪我だけはしないでよ? 無理だと思ったら避けてくれていいから」
[吹雪]:「うん、分かった」
では、そろそろ――。
[カホラ]:「あ、ちょっと待って。今のうちにお母さんに連絡を入れておくわ」
[吹雪]:「ああ、そうだね」
地下だから圏外になる可能性もあるし、以前と同じような作りっていうことになると……言わずもがなだ。
[カホラ]:「――ええ、一時間後くらいに、入口があるはずだから。……これでよし、と。これで準備オッケーよ」
[吹雪]:「よし、じゃあ今度こそ」
俺は膝を付き、入口に体を潜り込ませる。
[吹雪]:「じゃあ、先に行くね」
[カホラ]:「ええ、気を付けて」
[吹雪]:「うん。――それ!」
意を決して手を離すと、俺の体はどんどん下っていく。
……………………。
[吹雪]:「も、もうちょっとか?」
前回と同じくらい、滑っている感じがする。結構下っているし、そろそろ出口が見えてもいいはずだが。
[吹雪]:「ん? あそこか?」
徐々に足場らしきものが視界に入ってきた。よし、前回のような失敗はしないぞ。あらかじめ体勢を整えて着地の準備をする。
そして――。