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ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ ソンス
272/1013

カホラルート・ソンス(1)

12月30日(木曜日)


 [場所:社会科室]


――一夜明けて、今日はスッキリ目覚めることができた。まだ昨日の興奮が頭から離れていないのもあるかもしれないけど。

おそらく、今日で調査は終了できるはず。嬉しいような悲しいような……でも、今俺はすごいわくわくしてる。今まで頑張って調べてきた結末を知ることができるわけだからな、どんな風にどういう経緯で四季のピアノはできたのか……真実をこの目にしっかり焼き付けないと。

[吹雪]:「とりあえず、顔洗うか」

布団から這いでて、水飲み場へ向かう。

…………。


[場所:水飲み場]


[カホラ]:「あ、おはよう吹雪」

どうやら先客がいたらしい。

[吹雪]:「おはよう、カホラ」

[カホラ]:「あら、何だかいつもよりテンション高いわね」

[吹雪]:「今の一言で分かったの?」

[カホラ]:「ええ、ちょっとトーンが高くなってるもの」

[吹雪]:「実際そうだからね、そういうカホラもテンション高く見えるよ」

[カホラ]:「当然よ、ずっと知りたかったことを知ることができるんだから。嬉しい気持ちでいっぱいよ」

[吹雪]:「うん、俺も同じだよ」

[カホラ]:「本当に、ピアリーには感謝しないといけないわね。ここまで調べることができたのは、彼のおかげだもの」

[吹雪]:「カホラが彼に注目したのも大きなポイントだと思うよ」

[カホラ]:「ふふ、そうかしら? でも、注目せざるを得なかったんだけどね。私の知りたい情報がたくさん載っていたし、他の学者よりも熱心にピアノについて調べていた感じだったから」

[吹雪]:「他の学者にないものを感じ取ったんだね」

[カホラ]:「何て言うのかしら? 女の勘?」

[吹雪]:「こ、ここでそれを持ってくるんだ」

[カホラ]:「おかしかったかしら? じゃあ、文学者の勘?」

[吹雪]:「……うん、そうだね」

[カホラ]:「あら? 突っ込まれると思ってたんだけど、突っ込まないの? まだ学生じゃないかーって」

[吹雪]:「ここまで努力して調べて、真実に到達することができたんだから、カホラはもう立派な文学者でしょう。俺は保障できる自信があるよ」

[カホラ]:「……ありがと、吹雪」

柔らかい笑みを浮かべながら。

[カホラ]:「でも、びっくりしたわよね。ピアリーにあんな過去があったなんて」

[吹雪]:「そうだね、てっきり一人で調査をしていたのかと思ってたけど。夫婦で調査していたとは思わなかったよ」

[カホラ]:「一言も名前とか出てこなかったものね。まあ調査資料に彼女の名前なんて出さないか」

[吹雪]:「それは、そうだね」

[カホラ]:「ピアリーも、たくさんの人との交流を通して真実に辿り着いた。学者っていうのは、人とのつながりが大切になるものだって、この調査で学ぶことができたわ」

[吹雪]:「個人のプレイに見えるけど、実際はたくさんの人を通さないとできないこと」

[カホラ]:「うん、……会ったことはないけどピアリーは私たちの偉大な先輩ね」

[吹雪]:「うん、俺に大切な人を気付かせてくれたし」

[カホラ]:「もう、急にそんなこと言われたら照れちゃうでしょう?」

[吹雪]:「ごめんね、ちょっと狙ってた」

[カホラ]:「意地悪ね、吹雪は。でも、そう思ってるのは吹雪だけじゃないからね、私だって同じくらいそう思ってるから」

[吹雪]:「うん、すっごく嬉しい」

[カホラ]:「……あ、いけない、ちょっと話し込んじゃったわね。そろそろ準備しないと。明日が本番だし、今日は練習もミッチリしないと」

[吹雪]:「そうだね、ここまでやってきてそれは絶対に許されないもんね」

[カホラ]:「ええ、頑張りましょう」

[吹雪]:「おー!」


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