カホラルート・アモロサメンテ(15)
[セフィル]:「…………」
[カホラ]:「どう? お母さん」
[セフィル]:「うん、二人の言うとおりだ。このページから魔力が出ている。おそらく、このページには何らかの仕掛けが施されているはずだ。ちょっと待っていてくれ。解除を試みる」
[カホラ]:「お願い」
[セフィル]:「――キャンセラー!」
ページに魔法が放たれる。
[セフィル]:「なるほど、こういうことか」
[カホラ]:「お母さん、見せて」
[セフィル]:「うむ、ほら」
俺も一緒になって資料に目をやる。
[カホラ]:「これって」
[吹雪]:「隠されたページだ」
そう、そこには今まで存在しなかった74分の5と書かれたページが出現していた。ピアリーが石に残したメッセージはこれのことだろうか?
[カホラ]:「こんな仕掛けが施されていたなんて」
[吹雪]:「俺も、これはちょっと予想外だな」
こんな隠し方があったとは、少々驚きだ。
[吹雪]:「魔力で存在を隠すって、相当高度な技術でしたよね?」
[セフィル]:「まあ、それなりに知識を齧っていないと、できないことかもしれないな」
[吹雪]:「じゃあやっぱり、ピアリーは優れた魔法使いでもあったってことか……」
[カホラ]:「そうかもしれないわね」
[セフィル]:「……それを解除できた私を、すごいとは思ってくれないのか?」
[カホラ]:「そこまでして隠していたってことは、それだけ重要なことが書かれているってことかしら?」
[吹雪]:「本人ではないから分からないけど、彼なりの想いがあったのかも。読んでみたらいいんじゃないかな?」
[カホラ]:「そうね」
[セフィル]:「返事もなしか、そうか……」
[カホラ]:「じゃあ、読んでみるわね」
カホラは文章に目を落とし、文章を朗読し始める。