カホラルート・アモロサメンテ(14)
[場所:古書室]
三人がかりでピアリーの資料の74ページを見ていく。
[カホラ]:「何かあった? 吹雪」
[吹雪]:「今のところは何も」
手に持っている資料には、それらしきものは見当たらない。
[カホラ]:「まだたくさんあるわ、全部調べてみましょう」
[吹雪]:「うん」
……………………。
[カホラ]:「残るはこの2冊ね」
俺たちが最初に古書室で探した、ストーンサークルの場所が書かれていた資料だ。一番有力だと思って最後に取っておいた。
[カホラ]:「これで手掛かりがなかったら、また一からやり直しってことね」
[吹雪]:「か、考えたくはないけど」
[セフィル]:「…………」
[カホラ]:「見てみましょう」
カホラは資料をめくり、74ページを開く。
[カホラ]:「このページは、ストーンサークルのことが記されているところだわ」
[吹雪]:「完全に何かありそうな流れだけど」
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「…………っ」
カホラは首を横に振った。俺もその目で確かめてみる。
[カホラ]:「デタラメでそんな情報を残すような人ではないと思うんだけど……何もないのかしら?」
[吹雪]:「…………」
確かにこのページには何もおかしいところは見当たらない。でも、そのページを見ると、俺は若干違和感を覚えた。
[吹雪]:「…………?」
[カホラ]:「どうしたの? 吹雪」
[吹雪]:「いや、何だか……他のページと違う気がするんだ」
[カホラ]:「違う? どういうこと?」
[吹雪]:「何だろう? ちょっと待ってて」
俺は目を閉じて本に右手をかざす。
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「……これ、きっと魔力だ」
[カホラ]:「魔力?」
[吹雪]:「うん、本当に微かだけど、このページにだけ魔力を感じるんだ。本当に気付かない程度のものだけど、集中してみるとちょっと分かると思う」
カホラにもやってみるように言う。カホラはうなずいて右手をかざした。
[カホラ]:「…………確かに、ちょっとあるかも。本当にほんの少しだけ、それっぽいものを感じるわ。お母さん、ちょっと見て」
[セフィル]:「うむ、分かった」
学園長に本を差し出し、同じようにしてもらう。