カホラルート・アモロサメンテ(12)
リミットを知らせる携帯のアラームが俺のポケットを揺らした。
[吹雪]:「おーい、みんな! 時間だ」
俺の呼びかけに、みんなはそれぞれ返事をして戻ってきた。
[吹雪]:「お疲れ」
[舞羽]:「うーん、でも、ちょっと残念だなー」
[愛海]:「そうね、こっちでも大きな成果を見せることができなくて」
[翔]:「くそー、オレが不甲斐ないばかりに~!」
[吹雪]:「いや、お前のせいじゃないって。結構頑張ってたみたいだしな」
[翔]:「本当か? こんなオレを、評価してくれるのか?」
[吹雪]:「それは、まあな」
[翔]:「嬉しいぜ、今年一番嬉しいぜ……」
[愛海]:「翔っちって、こんな性格だったかしら? もっと女の子大好き人間だった記憶があるんだけど」
[祐喜]:「今回の一件で、吹雪に嫌われるのがどれだけ自分にとって辛いことか認識したんだと思うよ」
[舞羽]:「あははは……」
[翔]:「いつでもオレはお前の力になる、必要な時は言ってくれよ」
[吹雪]:「ああ、分かった分かった」
[愛海]:「……そんな翔っちの使い方を心得てる大久保くんだった」
[吹雪]:「勝手に終わらせるなよ」
[愛海]:「あはは、ごめんごめん。……でも、ちょっと悔しいわね。こんなに死力を尽くしても手掛かりの尻尾すら掴ませてもらえなかったのは」(愛海)
[祐喜]:「そうだね、せめてそれらしいところを見つけたかったね」
[吹雪]:「だけど、その頑張りのおかげで今回は一つ手掛かりを見つけることができたんだぜ」
[愛海]:「それがあったからよかったけど、なかったら結構テンションは下がってたでしょうね」
[舞羽]:「そうだね」
[祐喜]:「僕たちにトレジャーハンターは難しいかもしれないね」
[吹雪]:「これからの鍛え方次第じゃないか? それは」
[愛海]:「あれ? 昨日と考え方が変わってない?」
[吹雪]:「本気でなるとしたらの話だ」
[愛海]:「な、なるほどね」
[祐喜]:「明日はどうするんだい? 吹雪」
[吹雪]:「ああ、一先ずこのメモをカホラと解読してみて、その結果次第ってことになるから、とりあえずは待機してもらう感じかな。それでいいか?」
[祐喜]:「うん、了解」
[吹雪]:「決まり次第、こっちから連絡するから、随時携帯をチェックしてくれ」
[舞羽]:「分かった」
さて、帰ってカホラに報告だ。
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