カホラルート・アモロサメンテ(5)
……………………。
[吹雪]:「さすがの存在感だな」
いつどんな時に来てもそう思えるから、神殿というに相応しいのかもしれない。ここは海風のピアノが設置されてる神殿か。今は冬だから涼しさは伝わってこないが、でもここの北風は何となく爽やかな感じがする。
神殿の中には入れないから、外観をチェックしてみるか。桜花、風花と何もなかったから、きっとここも何もないと思うんだが……。
[吹雪]:「そんな油断が命取りになるのは避けなければ」
俺は外観を舐めるように観察する。
……………………。
どうやら俺の予感は悪い意味で当たったらしい。前回、前々回と同様、特に手掛かりらしい手掛かりは見つからなかった。あったのはあまり目立たない外壁の細かな傷くらい。でもまあ、これでここにはストーンサークルは隠されてないってことが分かったわけだし、ポイントを一つ減らすことはできたか。俺も向こうに戻って探すとしよう。
[吹雪]:「じゃあ、お邪魔しました。失礼します」
言う必要はないのかもしれないけど、一応頭を下げておいた。特に理由はない。
……………………。
[吹雪]:「どうだ? そっちのほうは?」
[祐喜]:「まだ目立って怪しいところはないかなー、すごく土の質感が良いってことは分かったけど」
[吹雪]:「了解した」
[祐喜]:「分かったらすぐに知らせるよ」
やっぱり一人よりもこっちのほうが頑張れる気持ちになるな。俺も精一杯探すぞ。
……………………。
…………。
……。