カホラルート・アマービレ(16)
[吹雪]:「こんなところかな? どう? 肩の調子は」
[カホラ]:「さっきと比べて全然軽くなったわ、生き返った感じよ」
[吹雪]:「よかった、また痛くなったら、いつでも言ってよ、やってあげるからさ」
[カホラ]:「……………………」
[吹雪]:「? ど、どうかした?」
[カホラ]:「う、うん……ちょっと、吹雪にお願いがあるんだけど」
[吹雪]:「な、何?」
[カホラ]:「もう一カ所、揉んでほしいところがあるの」
[吹雪]:「揉んでほしいところ? まだ痛いところがあった?」
[カホラ]:「ううん、肩はもう大丈夫。揉んでほしいのは……」
そう言うと、カホラは俺の手を掴んだ。そして、導くその先は――。
[吹雪]:「っ!? か、カホラ!?」
[カホラ]:「ん……ダメ、かしら? こんなことお願いするの」
熱っぽい目線を俺に向けてくる。導かれた腕の場所は、カホラの大きな胸だった。
[カホラ]:「実は、さっきから我慢してたのよ。吹雪の指の動きが、ずっと気になってて……でも、吹雪は真剣に私の疲れをとるのに一生懸命だったから、言うに言い出せなくて……だから我慢しようって思ったんだけど、限界が来ちゃったみたい」
[吹雪]:「ぐ、具体的にはいつから?」
[カホラ]:「……吹雪が私の名前を呼んでくれた時」
……言われてみれば、確かにちょっとそんな空気は感じたかも。
[カホラ]:「もう、胸の高鳴りが抑えられなくて……聞こえるでしょう? 私の心臓の鼓動」
手を内側から押し上げる胸の奥から、ドクドクと心臓の音が伝わってきた。
[吹雪]:「本当だ……」
[カホラ]:「お願い、吹雪……」
[吹雪]:「でも、こんな場所で……」
[カホラ]:「大丈夫よ、誰も来ないわ、こんなところなんて……それに……帰るまでなんて、待ってられないよ」
すでに気持ちが出来上がっているカホラ、その様子を見るだけで、俺も気分が高まってくる。
[カホラ]:「しよう? 吹雪」
気付けば野外などという心配は何処かへ吹き飛び、俺はカホラの言葉に嬉々としてうなずいていた。
……………………。
この後の展開は、言わずもがな……
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