カホラルート・ピウ(17)
『シーン』が終わった後のところから投稿させていただきます。
その『シーンが興味ある方は――こちらをどうぞです。
http://novel18.syosetu.com/n1735t/
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先輩との行為が終わってからしばらく、俺たちは動くことができなかった。暴走しないことに努めてやったつもりではいたんだけど……それでも相当な運動になったようだ。体が思うように動かない。でも……決して嫌な疲労感ではなかった。
[カホラ]:「――意外と、吹雪ってSな一面も持っていたのね」
[吹雪]:「え? Sですか?」
[カホラ]:「あら? ごまかすの? 私のことかわいがってる時、色々と言っていたじゃない、意地悪なこと」
[吹雪]:「いや、あれは、その……」
[カホラ]:「普段はそんなことないのに、やっぱり人は見かけによらないってことね」
[吹雪]:「げ、幻滅しましたか?」
[カホラ]:「ううん、全然。そんなことで幻滅するわけないでしょう? むしろ、新しい発見ができて嬉しいわ。吹雪は、そういうことになると積極的になる、ってことが分かって」
[吹雪]:「う……恥ずかしい」
今ではすっかり逆の立場だ。
[カホラ]:「うふふ、ちょっと仕返し」
でも、そんな先輩も、俺は大好きだ。
[カホラ]:「でも、ありがとね、吹雪」
[吹雪]:「え? 何がですか?」
[カホラ]:「何がって、決まってるでしょう? 私を女にしてくれたことよ」
[吹雪]:「先輩がお礼を言うことじゃないですよ」
むしろ言わなきゃいけないのは俺のほうで。
[吹雪]:「すごく、よかったです」
[カホラ]:「本当? でも、私知ってるわよ? 吹雪、結構加減してやってくれてたわよね? 私が痛いと思って、控えめにしてくれたんでしょう?」
[吹雪]:「……別にしてないですよ、控えめになんて」
[カホラ]:「その割には目が合ってないわよ?」
[吹雪]:「……確かに、力一杯はしてなかったですけど……理由はもう一つありまして」
[カホラ]:「もう一つ?」
[吹雪]:「はい、俺自身の問題です。その……先輩の中に入れた瞬間に、すでにイッパイイッパイになってまして……あんまり早く動かしたら、速攻で終わってしまいそうでしたから。だから、ゆっくりめに動かざるを得なかったといいますか」
[カホラ]:「そ、そうだったんだ」
[吹雪]:「はい。だから、結果的に気を遣ったように見えたかもしれませんが、実は自分が追い込まれてた、という感じです」
さすがに……早漏とは思われたくなかったからな。