カホラルート・ピウ(15)
[カホラ]:「はあ、はあ……」
[吹雪]:「どう、でしたか?」
[カホラ]:「キスって、こんなに素敵なものだったのね。今、それを実感したわ」
[吹雪]:「俺もです、何て言ったらいいか分からないけど、良い気分になりました」
[カホラ]:「高揚って言うのかな? 気持ちが登って行ってるような……そんな気分。……ねえ吹雪、その、もう一回してくれないかな? もう一度、今度は二回目だから、さっきよりキスの感触を味わえると思うから」
[吹雪]:「はい、もちろんです」
俺も、同じことを思っていた。今俺は、身を持って実感している、キスを何度でもしたくなるという気持ちが。
[カホラ]:「今度は私からするわ。吹雪、目をつぶってくれる?」
[吹雪]:「分かりました」
言われるままに瞼を閉じた。そしてそれから5秒ほど――。
[カホラ]:「ん……」
もう一度、唇が重なった。今度は、しっかりと互いの感触を確かめながら。
[カホラ]:「ん……んぅ」
[吹雪]:「…………」
甘い香りのする先輩の唇は、とても熱を帯びていて、しっとりと潤っていた。ただ唇を触れ合わせているだけだけど、それでも先輩の熱を直に感じ取ることができて、すごく満たされるような気持ちになる。