カホラルート・ピウ(11)
[吹雪]:「つまり……?」
[カホラ]:「私も、吹雪に告白するつもりだったの」
[吹雪]:「え、えええええ~~~!?」
[カホラ]:「こ、声が大きいわよ、吹雪」
[吹雪]:「だ、だって――え~? せ、先輩が、俺に?」
[カホラ]:「べ、別におかしいことじゃないと思うけど」
[吹雪]:「だ、だって、俺ですよ? 先輩が俺なんかを、そんな風に」
[カホラ]:「吹雪だから、私は言おうと思ったのよ」
[吹雪]:「そ、そうなんですか……」
[カホラ]:「理由は、吹雪と似てるわ。私も最初は、すごく良い後輩だと思ってたんだけど、一緒に探索をしていく内に、横でいつもサポートしてくれる吹雪にすごく心を持っていかれるようになったの。ああ、私は吹雪のことが好きなんだなって」
[吹雪]:「そ、それはいつ頃に気付いたんですか?」
[カホラ]:「吹雪が気付くより少し前、一つ目のストーンサークルを探しに行った日からかな」
[吹雪]:「ま、マジですか……」
[カホラ]:「正直、この想いは実らないなって思ってた。吹雪の周りには、舞羽とかもいたから、私じゃないだろうって勝手に決めつけちゃっててね。でも、せめてお礼くらいは言いたいなって思ってて、それが、昨日のアレなの。で、それを言った後にまた考えて、どうせダメなら、私の想いもはっきり伝えちゃえって思ってさ。――だから、今こうしているわけ」
[吹雪]:「そ、そんな経緯があったんですか」
[カホラ]:「だから、お母さんがあんなに早く練習を切り上げた時は焦ったわ。まだ心の準備もできてないのに……」
[吹雪]:「あ、早く終わるのを渋ってたのは、それが理由だったんですか?」
[カホラ]:「ええ、伝えるのは練習後って決めてたから、どんな風に話を切り出すかも決めてなかったし」
[吹雪]:「……じゃあ、つまり、今俺たちは――、りょ、両想いってことですか?」
[カホラ]:「そうなるわね」
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「……す、すいません、まだ実感が湧いてなくて」
[カホラ]:「いいのよ、ゆっくりで。私も、同じだから」
[吹雪]:「でも、すごく嬉しいっていうのは分かります」
[カホラ]:「あ、それは私も思ってるわ」
[吹雪]:「やっぱり、似てるんですね、俺たちは」
[カホラ]:「そうみたいね、ふふ」
[吹雪]:「あはは」
お互い、顔を見つめ合って笑った。
いつも読んでくれてありがとうございます。
この後の展開なんですが、少々内容的に年齢制限が含まれる描写が入ります。
なので、載せられるところぎりぎりまで載せて、その後はちょっと考えているところです。
重ね重ね、我が作品をどうかよろしくお願いします。