カホラルート・ピウ(10)
[吹雪]:「た、単刀直入に言いますから」
[カホラ]:「ええ」
[吹雪]:「――俺、先輩のことが、す、好きです」
[カホラ]:「え、ええっ!?」
俺の言葉を聞いた先輩は、その場で慌てふためく。
[カホラ]:「じょ、冗談とかじゃなくて?」
[吹雪]:「冗談でこんなこと言えません。俺は、真剣にそう思ってます」
[カホラ]:「そ、そうなの?」
[吹雪]:「はい」
[カホラ]:「い、いつからそんな風に?」
[吹雪]:「言ったほうがいいですか? やっぱり」
[カホラ]:「できれば、聞きたいな」
[吹雪]:「その、気持ちに気付いたのは昨日なんです。先輩と抜け穴から脱出しようとしていた時に」
[カホラ]:「……私の下着で気付いたの?」
[吹雪]:「そ、そっちじゃないです!」
[カホラ]:「そ、そうよね? よかった」
[吹雪]:「抜け穴で休憩している時に、先輩が、俺がパートナーでよかったって言ってくれたじゃないですか。その時に、俺も一緒に調査している人が先輩でよかったって思ったんです。少し前までは、自分の気持ちに気付くことができなかったんですけど、先輩の一言が、俺の心の雲を晴らしてくれたんです」
[カホラ]:「そ、そうだったんだ……」
[吹雪]:「びっくりさせちゃいましたか?」
[カホラ]:「ええ、すごくびっくりしたわ。だって――吹雪からそんな風に言ってもらえると思ってなかったから」
[吹雪]:「え? ……そ、それってどういう?」
[カホラ]:「さっき、言ったでしょう? 私も、吹雪に話があるって」
[吹雪]:「はい、覚えてます」
[カホラ]:「その話の内容は――吹雪が今私に言ったことと同じなの」
[吹雪]:「…………え? それって?」
頭が理解に追いついてこない。