表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ ピウ
221/1013

カホラルート・ピウ(1)

12月24日(金曜日)


 [場所:教室]


[翔]:「今日で学校も終わりだな」

[吹雪]:「そうだな」

[翔]:「――降ってきたな、雪」

[吹雪]:「冬だからな」

[翔]:「そりゃあ分かってるよ。……本当に、最近オレに対して冷たくないか? 吹雪ちゃん」

[吹雪]:「最近、季節と自分の態度を合わせてみようかって思ったのさ」

[翔]:「何故そんな決断を!? しかも合わせるってことは冬だから寒いじゃないか」

[吹雪]:「そうだな」

[翔]:「う、本当に寒い。やっぱり名前と一致してくるんだな、そういうところ」

[吹雪]:「黙れ、くたばれ」

[翔]:「うわあ、傷つくぜ~」

何だかここ2日、名前をネタにされる回数が多い気がするな。そういう時期なのか?

[愛海]:「うー、廊下はすごく寒いわね~」

[舞羽]:「そうだね。息、とっても白くなるし」

[吹雪]:「確か、今日の最低気温は氷点下になるらしいぜ」

[舞羽]:「ええ~!? 本当に? じゃあ湯たんぽとか用意したほうがいいかな?」

[吹雪]:「大丈夫じゃないか? 寝床は十分暖かいし、というかそれ以前に湯たんぽが人数分用意できないだろう?」

[舞羽]:「あ、そっか。……風邪引かないように気を付けないと」

[吹雪]:「そうだな、今躓いてる暇はないからな」

[舞羽]:「うん」

[翔]:「……あれ? 何でだろう? 急に目頭が熱くなってきた。どうしてだろう? おかしいな……すごく、吹雪の対応に温度差を感じる……」

[吹雪]:「気のせいだ」

[翔]:「ほら、だって端的すぎるもん! オレとの会話の時10文字以上口にしないもん! どうして? オレ今日何か悪いことした?」

[吹雪]:「祐喜、頼む」

[祐喜]:「うん、分かった」

祐喜はゆっくりと翔の前に立った。

[祐喜]:「翔、今日の昼ご飯のこと覚えてる?」

[翔]:「え? 昼ご飯?」

[祐喜]:「そして、吹雪のしてる恰好……ここまで言えば分かるよね?」

[翔]:「あ、ああ……」

[祐喜]:「そう。翔はしゃべることに夢中になって、お茶とお味噌汁同時に零して、吹雪のブレザーをビシャビシャにしちゃったんだ」

[愛海]:「確かに事故かもしれないけど、大久保くんが怒るのも無理ないわね~」

[舞羽]:「うん、そうだね」

[翔]:「う、でも……それは……」

[吹雪]:「それは、だと? ふざけるんじゃねぇぞ? くそ野郎」

[翔]:「ひぃ……!?」

[祐喜]:「ふ、二人とも、向こうを向いて目をつぶってたほうがいいかも」

[愛海]:「そうね。さあ、舞羽」

[舞羽]:「う、うん……」

……………………。

…………。

……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ