カホラルート・プレスト(13)
[吹雪]:「はあ、はあ……」
[カホラ]:「はあ、はあ……」
再出発して15分ほど経っただろうか? まだ、目線の先に光は見えてこない。
[吹雪]:「坂がちょっと急になってきましたね」
[カホラ]:「そうね。出口が近くなってきてる証拠かしら?」
[吹雪]:「だとしたら、これを登り切れば出口があるかもしれない?」
[カホラ]:「そうだと思いたいんだけど」
[吹雪]:「俺もです。下ってきた時と同じくらいの距離は進んだと思いますし」
[カホラ]:「これで行き止まりとか言われたら、泣いちゃうわよ? 私」
[吹雪]:「そ、それは考えない方向で行きましょう」
ストーンサークルのあった場所で、そんなふざけたことをする人はいないと信じよう。
[吹雪]:「とにかく、進んでみましょう」
[カホラ]:「ええ」
そんな時だった。
[カホラ]:「――あっ!?」
[吹雪]:「どうしました? 先輩」
[カホラ]:「やっちゃったわ……スカートが何かに引っ掛かったみたい」
[吹雪]:「ええ~?」
[カホラ]:「ん……取れないわ。どうしよう? 下手に動くと破れちゃいそうだし」
[吹雪]:「それは、ヤバいですね」
[カホラ]:「ん……やっぱりダメだわ。手が届かない」
[吹雪]:「何か良い方法は?」
[カホラ]:「これは、吹雪しかないわね」
[吹雪]:「へ?」
[カホラ]:「私の代わりに、スカートの引っ掛かりを取ってちょうだい?」
[吹雪]:「ええ~!? お、俺がですか?」
[カホラ]:「他に頼れる人もいないし、お願いよ。力任せに引っ張ったら絶対に破けちゃうし、後ろに回り込んで、どうなってるか見てくれないかしら?」
[吹雪]:「で、でもそんなことしたら、先輩のスカートの中が見えちゃいますよ?」
[カホラ]:「この際それは仕方ないわ、ちょっとくらいなら我慢するわ。吹雪は翔とは違うって知ってるし」
[吹雪]:「あ、ありがとうございます」
[カホラ]:「でも、がん見はしちゃダメよ? 恥ずかしいことには変わりないんだから」
[吹雪]:「そ、それはもちろんです!」
[カホラ]:「じゃあ、向きを変えてこっちに来て」
[吹雪]:「分かりました」
体を逆向きにし、先輩の方へと向かう。