カホラルート・プレスト(12)
[カホラ]:「……ありがとね、吹雪」
[吹雪]:「どうしたんですか? 急に」
[カホラ]:「普段思ってることを口にしただけよ?」
[吹雪]:「そんな、俺はやりたいことをやってるだけですよ」
嫌々やっている気は全くない。
[吹雪]:「むしろ付き合わせてもらえて、感謝してます」
[カホラ]:「私も、付き合ってもらえてすごく感謝してるわ。多分、ここまであきらめないでやり続けていられるのは吹雪のおかげだと思うの。ここ数日、吹雪と一緒に探索や調査をやってきたけど、今まで味わったことのない楽しさを覚えたわ。近年では一番って言ってもいいかもしれない、その楽しさをくれたのは他の誰でもない、吹雪だと私は思ってるの」
[吹雪]:「俺が、ですか?」
[カホラ]:「ええ、吹雪じゃなかったら、きっとここまで調査を楽しいとは思えなかったはずよ。何て表現したらいいか分からないけど、多分私たちは、似た者同士なんだと思うわ」
[吹雪]:「似た者同士か、悪い響きじゃないですね」
先輩と似ているって表現してもらえると、誇らしさを感じる。
[カホラ]:「前にも言ったけど、パートナーが吹雪で本当に良かったわ。ありがとう」
[吹雪]:「いえ、俺のほうこそ――」
そうか、今ので気付くことができたぞ。というか、確信することができた。最近、先輩を見る目が以前と少し違う理由は、きっとこれに違いない。
[カホラ]:「――ごちそうさま。さて、そろそろ行きましょうか」
[吹雪]:「はい、出口目指して再出発ですね」
[カホラ]:「ええ、頑張りましょうー!」
[吹雪]:「おー!」
……………………。