カホラルート・プレスト(4)
[吹雪]:「うおおおおっ!?」
俺は流れに身を任せてどんどん下に降りていく。……思ったより長いぞ
[吹雪]:「どこまで行くんだ~?」
しばらくして、出口と思える先が見えてきた。もう少しか?
――そして。
[吹雪]:「いてぇ~!」
[場所:地下空間]
吐き出されるように、俺は空洞から飛び出した。おー、よかった、どうにか空洞から出ることはできたようだな。
[カホラ]:「きゃあああああっ!?」
[吹雪]:「ん? これは?」
先輩の声だな。先輩も空洞に飛び込んだのか? ……ん? でも待てよ? 出口はここしかないんだよな? すると、先輩が出てくるであろう場所は――。
[カホラ]:「きゃああああっ!?」
[吹雪]:「せんぱ――うげえ!?」
当然俺がいる場所だよな。先輩は見事に俺の腰に滑り落ちてきた。
[カホラ]:「イタタ……あ、大丈夫? 吹雪?」
[吹雪]:「はい、大丈夫です……おおっ!」
[カホラ]:「ど、どうしたの?」
いかん、腰が……この年でぎっくり腰か? しかし、我慢しなければ。男なら耐えてみせろ。
[吹雪]:「な、何でもないです。先輩のほうこそ、大丈夫ですか?」
[カホラ]:「うん、吹雪がクッションになってくれたおかげで、何ともないわ。ありがとう」
[吹雪]:「いえいえ、これくらい当然です」
先輩を守れただけよかったな。
[カホラ]:「あー先輩、そろそろ降りてもらってもいいですか?」
[吹雪]:「あ、ごめんなさい」
別に重くないから苦しくはないが、ずっと乗られていると俺がおかしいことになってくる。何がおかしくなるかは……言わないでおこう。
[吹雪]:「う、いてて……」
[カホラ]:「立てそう?」
[吹雪]:「はい、着地に失敗してケツを強打しちゃいまして」
[カホラ]:「大丈夫? 見ておいたほうが」
[吹雪]:「いえ、大丈夫です。ほっとけば痛みは引くと思いますから」
あれ? 何か前回も同じようなやり取りをしたような気がするな。