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ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ プレスト
202/1013

カホラルート・プレスト(1)

12月23日(木曜日)


練習に精を出し、昼食を済ませ――。

[カホラ]:「よし、準備完了」

[吹雪]:「じゃあ行きましょうか」

[カホラ]:「そうね」

……………………。


[場所:学園長室]


コンコン。

[カホラ]:「お母さん、準備できたわよ」

[セフィル]:「ああ、入って来てくれ」

[カホラ]:「入りましょうか」

[吹雪]:「はい。失礼します」

俺たちは学園長室に入らせてもらう。

[セフィル]:「んむ、んむ……」

中に入ると、学園長はもぐもぐとチョコビスケットをかじっていた。

[セフィル]:「やっぱり美味いな、このビスケットは」

[吹雪]:「あれって、以前先輩から食べさせてもらった」

[カホラ]:「ええ、同じものね。私たち親子は、みんなあれが大好きだから」

[セフィル]:「よし、じゃあ幸せを分けてあげよう」

学園長は俺たちに向かってそれを投げた。

[吹雪]:「おっと、ありがとうございます」

[カホラ]:「くれるのは嬉しいけど、そんなに食べて大丈夫なの? お母さん」

[セフィル]:「まだそんなには食べてないぞ」

[カホラ]:「嘘ばっかり、ごみ箱にたくさんビスケットの袋が入ってるわよ」

[セフィル]:「これは……昨日食べたものだ」

[カホラ]:「だとしてもすごい量じゃないの。太っちゃうわよ?」

[セフィル]:「それは心配ない。今日はこれを食べる代わりに、昼ご飯を食べないことにしているからな」

[カホラ]:「体に悪すぎるわよ、それ」

[セフィル]:「ビスケットは炭水化物だから大丈夫だ」

[カホラ]:「何が大丈夫なのよ、ちゃんと三食しっかり食べないと結局は太っちゃうんだから」

[セフィル]:「とは言ってもこれが美味すぎるんだよ、どうにも手が止まらないんだ」

[カホラ]:「気持ちは分かるけど、ちゃんと食べないとダメ。仮にも学園長なんだから、みんなに認められる生活リズムを確立して」

[セフィル]:「厳しいな、カホラは。――ちょっと待っててくれ、もう少しで紅茶を飲み終えるからな」

[カホラ]:「私たちが来るまでに済ませておいてよ……」

[セフィル]:「はっはっは、心配しなくてもストーンサークルは逃げては行かないさ」

[カホラ]:「そういう問題じゃないんだけど……」

[吹雪]:「まあまあ、先輩」

[カホラ]:「そういえばお母さん、ピアリーのことは何か思い出した?」

[セフィル]:「うーん、それなんだが、昨日からずーっと考えてはみたんだが、まだ何も思い出せないていないんだ。本当にどこかで聞いた覚えがあるはずなんだが……すまないな。今日も考えてみるつもりだ」

[カホラ]:「そう、分かったわ」

[セフィル]:「もう情報はまとめ終えたのか?」

[カホラ]:「ええ、昨日のうちに全部ノートに記したわ」

[セフィル]:「することが速いな。カホラは良い人材になるな」

[吹雪]:「俺も見習いたいです」

[カホラ]:「吹雪は見習う必要ないわよ、すでに仕事をちゃんとこなせているんだから」

[セフィル]:「そうだぞ? よかったら私のマネージャーにならないか? 吹雪。今、腕の立つ人材を探しているところでな」

[吹雪]:「ええ!? それはちょっと……」

[セフィル]:「嫌か? 悪いようにはしないぞ」

[吹雪]:「そ、そういう問題じゃなくてですね……」

突然そんなことを言われても、何て答えていいものか分からない。

[吹雪]:「気持ちは嬉しいんですけど、今は保留ってことで」

[セフィル]:「うーん、残念だ。まあ、気が変わったら言ってくれ。就職が決まらない時とかに来ても私はウェルカムだぞ」

[吹雪]:「あ、ありがとうございます……」

突然話が現実味を帯びたな……。

……………………。


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