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ソプラノ  作者: BAGO
個別ルート・カホラ リテヌート
201/1013

カホラルート・リテヌート(17)

[場所:社会科室]


[カホラ]:「これで良しっと」

先輩は、宣言した通り、帰ってすぐに自分のノートに情報をまとめた。

[吹雪]:「また一歩、謎の解明に近づけましたね」

[カホラ]:「そうね、まさかこんなに早く次のストーンサークルの調査ができるなんて思わなかったわ。嬉しい誤算ね」

[吹雪]:「教えてもらえなかったら、ヒントを頼りにぐるぐる回りっぱなしだったかもしれませんからね」

[カホラ]:「その様子、容易に想像できるわね」

[吹雪]:「よかったです」

[カホラ]:「後はジャスパーの秘めた力、正直、ちょっと舐めてたわ。この小さい宝玉にそんな力があったなんて」

[吹雪]:「何か力があるんだろうなっては思いましたけど、そこまで重要なものだとは思ってませんでしたね」

[カホラ]:「そうね、縁の下の力持ちだったのね、このジャスパーは」

[吹雪]:「正直、俺もほしいです、ジャスパー」

[カホラ]:「ふふ、あげないからね? でも、吹雪だったらどんな形に変化してたんでしょうね? やっぱり私と同じ斑になってたのかしら?」

[吹雪]:「いや、名前で変化するわけではないですから、その担当するピアノによるんじゃないですか?」

[カホラ]:「だとしたら、吹雪は斑ね。それしかないでしょう」

[吹雪]:「……な、何故ですか?」

[カホラ]:「吹雪って名前なのに、冬を担当しないのはおかしいもの」

[吹雪]:「おかしいって先輩……俺は別になりたくてこの名前になったわけじゃあ……」

[カホラ]:「だって嫌いではないでしょう? 吹雪って名前は吹雪にとっても合ってると思うわよ。そうよね? 舞羽」

[舞羽]:「え? 何ですか?」

どうしてそこで舞羽に話を振ったのだろうか……。

[カホラ]:「吹雪の名前、吹雪に合ってるわよね?」

[舞羽]:「あ、はい。吹雪くんは吹雪って名前じゃないと吹雪くんだって分からないですね。吹雪って名前以外の吹雪くんは吹雪くんじゃないって思います」

[吹雪]:「……今の台詞の中で何回俺の名前を出したんだ? 舞羽」

[舞羽]:「うーんと、6回?」

[吹雪]:「別に数えなくてもいいけど、無理して話を合わせることはないから」

[舞羽]:「無理なんてしてないよ? 私はいつでも本当のこと言ってるよ」

[吹雪]:「まあ、ありがとよ」

[カホラ]:「慕われてるわね、吹雪」

[舞羽]:「あの、それで用件は何でしょうか? カホラ先輩」

[カホラ]:「あ、ごめん。今のでオッケーよ、自分のしたいことしてちょうだい」

[舞羽]:「そ、そうですか?」

[カホラ]:「ええ、ありがとね」

[舞羽]:「はい、じゃあ失礼します」

舞羽は寝間着とタオルを持って社会科室を出て行った。どうやらシャワーを浴びに行くようだ。

[カホラ]:「……想像したの? 吹雪」

[吹雪]:「してませんよ!」

[カホラ]:「……まだ何を想像したのって聞いてないのに」

[吹雪]:「し、しまった……!?」

[カホラ]:「ふふ、墓穴を掘ったわね、吹雪」

[吹雪]:「や、やられた……」

その後も、終始先輩はご機嫌な様子だった。ようやく軌道に乗ってきた調査活動、このままどんどん謎を解いていきたいところだ。


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