カホラルート・リテヌート(1)
12月22日(水曜日)
[場所:社会科室]
[吹雪]:「うう、眠いな……」
毛布を払い、足に力を入れて立ち上がる。
[吹雪]:「分かってはいたけど、体がちょっと重いな……」
理由はもちろん昨日の夜の探索だろう。それ以外に考えられない。でも、練習を休むわけにはいかない。それはそれ、これはこれ、ハーモニクサーとしての役目を終えるまで練習を怠るわけにはいかない。カーテンを引いて布団から出る。
[吹雪]:「おはよう」
どうやらみんなも起きてるようだ、俺に振り返ってあいさつを返してくる。
[舞羽]:「おはよう、吹雪くん」
[吹雪]:「ああ、おふぁよう……」
つい欠伸が出てしまった。
[舞羽]:「何だか、すごく眠そうだね」
[吹雪]:「あ、ああ、ちょっとな」
[舞羽]:「あ、クマが出来てる……寝不足なの?」
[吹雪]:「ん、まあ昨日だけな。今日はきっと良く眠れるよ」
[舞羽]:「? 昨日だけ?」
[吹雪]:「いや、こっちの話。元気はあるから問題なし」
[舞羽]:「ならいいけど……無理はしちゃダメだよ?」
[吹雪]:「おう。……顔洗って目を覚ましてくるよ」
[舞羽]:「うん、行ってらっしゃい」
一回合同練習で倒れてるからな、これ以上心配はかけないようにしないと。
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