カホラルート・レント(20)
[場所:昇降口前]
[カホラ]:「はあ、有意義な探索になったわ。これで、何か謎がとけるかもしれない」
[吹雪]:「だといいですね、他のストーンサークルと共通していることがあるかもしれませんし」
[カホラ]:「ええ、解読が楽しみ」
[セフィル]:「ふんふん、なるほど。謎を解明するために、夜な夜なこっそり学校を抜け出したというわけか」
[カホラ]:「きゃあああ!?」
[吹雪]:「おわあっ!?」
[カホラ]:「お、お母さん!? な、何でこんな夜遅くに起きてるの?」
[セフィル]:「最近、どうも寝つきが悪くて、朝方になってこないと眠くならないんだ。はっは、おかげで睡眠時間が足りなくて困ってるんだ。それに今日は、学校を「エクソダス」した二人の男女もいたことだしな、起きて見張る必要もあった」
[カホラ]:「う……分かってたの?」
[セフィル]:「私を誰だと思ってる? 学園長だぞ? 学校で一番偉い人だぞ? ……ちょっとかっこいいな」
[カホラ]:「それは知らないけど……」
[セフィル]:「全く、夜の森に出歩くなんて危険なことをして……もし何かあったらどうするつもりだったんだ」
[カホラ]:「だ、だから吹雪に付いてきてもらったのよ。一人で危険だと思ったから」
[セフィル]:「危険だと分かっているなら、最初から出歩こうとなんて考えるんじゃない。何事もなく帰ってきたからよかったものを……これでカホラが帰ってこなかったら、母さんはどうすればいいんだ」
[カホラ]:「だって、今の時間にしか分からないことがあるかもしれなかったから……その探究心に勝つことができなくて……」
[セフィル]:「せめて何か一言言ってからでもよかったじゃないか」
[カホラ]:「だって、断ったところで、お母さん許してくれないでしょう?」
[セフィル]:「……そんな風に思われていたのか、ちょっとショックだな」
[カホラ]:「じゃあ、許してくれたの?」
[セフィル]:「お前の心意気がヒシヒシと伝わっていれば、分からなかったぞ?」
[カホラ]:「……どっちにしても、悪いのは私ね。ごめんなさい」
[吹雪]:「すいませんでした」
[カホラ]:「ペナルティを科すなら、私だけにして? 吹雪は私のわがままに付き合ってくれただけだから、吹雪は何にも悪くないわ」
[吹雪]:「せ、先輩……」
[カホラ]:「お願い、お母さん」
[セフィル]:「だが、吹雪は吹雪の意思で付いていったんだろう? 出発前、結構楽しそうな顔をしていたからな」
[吹雪]:「まあ、実際、楽しかったですし……」
隠してもしょうがないことだ。