カホラルート・レント(19)
[カホラ]:「メモ帳を逆さにして……よし、これで続きを……」
――その後俺たちは、同じような感じで泉の周りを2周ほど回った。明確な答えを導くためには、やはり狂いのない資料が必要不可欠だからな。
[カホラ]:「うん、これくらいね。十分なデータを手に入れられた気がするわ」
[吹雪]:「これで一つの謎が解けますね」
[カホラ]:「ええ。長々と肩車させてごめんなさいね。降ろしていいわよ」
[吹雪]:「あ、分かりました。よいっしょ」
岩の上から降りて、ゆっくりとその場で屈んだ。
[カホラ]:「――ふう。お疲れさま」
[吹雪]:「お疲れさまです」
うん、我ながらよく耐えたぞ、俺。降りたばかりでまだ感触が生々しく残っているが……思い出さないように心がけよう。
[カホラ]:「ストーンサークルも確認できたし、肩車も懐かしくておもしろかったし……今日はもう言うことなしね。探索にきてよかったわ」
[吹雪]:「明日はこのストーンサークルの解析ですか?」
[カホラ]:「そうね、放課後は図書室にいるわ。授業が終わったら来てもらえるかしら?」
[吹雪]:「もちろんです」
[カホラ]:「明日は明日で楽しみね。どんなことが分かるかしら? ふふ」
俺は時計を見て時刻を確認する。4時ちょっと前、今から帰れば余裕を持って帰ることができる。
[カホラ]:「じゃあ、今日は帰りましょう」
[吹雪]:「そうですね」
[カホラ]:「また機会があれば、肩車よろしくね?」
[吹雪]:「が、頑張ります……」
俺の理性を保てるかどうか、それだけが心配だ。
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