カホラルート・レント(17)
[カホラ]:「うーん、なるほど……今までみた模様とはまた違うわね」
[吹雪]:「そ、そうなんですか?」
[カホラ]:「ええ、こうして目にするのは初めて。きっとかなり特殊なものなんだと思うわ」
[吹雪]:「やっぱり、ピアノを保護するものだからですかね?」
[カホラ]:「おそらくね」
[吹雪]:「う……」
[カホラ]:「ん? どうしたの? 吹雪」
[吹雪]:「いえ、何でもないですよ」
気にしないようにしたいんだが、どうしても気になってしまう。だって、押しつけられてるんだもの。感触がするんだもの。感覚をなくさない限り無理だ。
[吹雪]:「耐えろ吹雪、大丈夫だ、理性を保て……」
[カホラ]:「これは、メモを取っておいたほうがいいわね。吹雪、ちょっと頭を借りるわね」
[吹雪]:「は、はい、どうぞ」
先輩はポケットから手帳のようなものを取り出し、サラサラとペンを走らせ始めた。
[カホラ]:「向こうのほうはどうなってるのかしら? 吹雪、場所を移動することってできる?」
[吹雪]:「はい、多分できると思います。反対側ですか?」
[カホラ]:「ええ、確なストーンサークルを写しておきたいから」
[吹雪]:「分かりました、落ちないように気をつけてくださいね」
[カホラ]:「ええ、分かったわ」
俺の頭に手を乗せて体を安定させる。