カホラルート・レント(13)
予感は的中した。岩で囲まれた光る水面の下に、規則正しく描かれたストーンサークルが存在していた。どおりで近辺を探しても見つからなかったはずだ。近辺どころか、目印自体が目的の場所だったのだ。随分とすごいところに隠したものだ。これだったら、なかなか気付くことはできないよな。
[吹雪]:「水の中です。そこに、ストーンサークルが隠されてます」
[カホラ]:「水の中?」
[吹雪]:「はい、岩場の内側に」
[カホラ]:「……やっぱりここからじゃ、見えないわね」
先輩は岩に登って中を見ようとしているが、やはり位置が低いからか見えていないようだ。ここならバッチリ見えるんだが、登ることはできないよな。とりあえず、先輩のところに戻るか。
俺は呼吸を整えて先輩の元に向かった。
……登る時はよかったが、降りるとなるとちょっと怖いな、意外と高さがある。
慎重に降りなければ……。と、思った矢先――。
[吹雪]:「う、やばい……」
降りるポイントを誤った……あると思ったはずの枝がそこにはなかった。下まで一直線、そこまで高くはないが、落ちたら痛そうだ。
[吹雪]:「どうしよう……」
多分死にはしない。仮に頭から落ちても多少の流血だけで済むはず、……いや、流血は結構な怪我か。それはなるべく避ける方向でいこう。
――よし、決めた、このまま降りるぞ。足をかけるポイントがない以上、意を決するしかない。気合いがあれば、何とかなるはずだ。