カホラルート・レント(11)
[場所:泉]
[カホラ]:「うわー」
[吹雪]:「すげぇ……」
俺たちは、その光景に目を奪われていた。近くで見ると、それは圧巻だった。青い光が、水のせせらぎと共にキラキラと輝いている。その様子は、正に森に生きる宝石と呼ぶに相応しいだろう。初めて泉を発見した時と同じくらいの驚きを、俺たちは受けていた。
[カホラ]:「……つい見とれちゃったわ」
[吹雪]:「はい。すごいですね、これは」
[カホラ]:「ピアリーが言ってたのって、きっとこれでしょうね」
[吹雪]:「そうに違いないでしょう」
これを宝石と呼ばずに、と言った感じだ。
[カホラ]:「じゃあ、ストーンサークルはこの近辺にあるかもしれないわね」
[吹雪]:「そうですね、探してみましょう」
俺たちは泉近辺の探索を開始する。
……………………。
[カホラ]:「んー、見つからないわね~」
[吹雪]:「そうですね……」
ストーンサークルと言うくらいだから、それらしいものがあればすぐに見つかるはずなんだが……。
[カホラ]:「一応、あの泉が宝石でないことを想定して夜行性の植物があったりしないかも見てみたけど、それもないし……」
[吹雪]:「うーん、隠されてるんですかね? 地面の下とか」
[カホラ]:「でも、それだと次に使うときとかに面倒だし、何より掘り返すときに傷がついちゃうわよね。機能が失われることは避けるはず」
[吹雪]:「ですよね。うーん、目印って言うくらいだしそんな遠くにあるはずはないのに……」
[カホラ]:「うーん……」
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「…………」
[吹雪]:「…………」
[カホラ]:「……どうしたの? 吹雪?」
[吹雪]:「うーん、ちょっと考えてて……」
[カホラ]:「ストーンサークルがある場所?」
[吹雪]:「はい。……ひょっとして……いや、うーん」
そんなことってあるのかな? でも、石らしいものはあのあたりにしかないし……悩んでても仕方ないし、見てみる価値はあるか? 灯台元暗しって言葉もある。
[吹雪]:「先輩、ちょっと泉に戻ってみましょう」
[カホラ]:「え? うん、いいけど」
可能性に賭けて、俺たちはもう一度泉へ。
……………………。